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アマチュア・オーケストラ演奏頻度を2025年の公演の集計を追加して更新しました。(2025.12.25)

2021年12月17日金曜日

MIDIファイルを入力とした分析:長短三和音の交替から見たマーラーの交響曲 3.他の作曲家の作品との比較

1.分析の概要

1.1.分析対象の作品

従来の分析同様、マーラーの交響曲全曲(第1交響曲~第10交響曲および「大地の歌」)を対象とした。なお、第10交響曲はクックによる5楽章版を対象とした。

1.2.分析対象の特徴量と分析環境・手法

 作品を構成する楽章・曲単位に作成されたMIDIファイル毎に、各拍において長三和音、短三和音の出現状況に注目して、以下の特徴量を集計した。出現頻度については、長三和音・短三和音の出現回数、長三和音⇔短三和音の交替頻度のいずれについても曲の長さ(拍数)の違いを吸収するために出現回数を総拍数で割って単位拍数あたりの割合(それぞれmaj, min, mod)とし、更に交替頻度については長短三和音の出現回数(maj+min)で割った割の合(以下のmod_frq)も計算した。また、曲頭において先に出現するのは長三和音・短三和音のどちらか(in)および曲尾において後に出現するのは長三和音・短三和音のどちらか(out)の判定も行った。従って特徴量は以下の6種類となる。

  • 長三和音の出現頻度(maj):単位拍数あたりの割合
  • 短三和音の出現頻度(min):単位拍数あたりの割合
  • 長三和音⇔短三和音の交替頻度1(mod):単位拍数あたりの割合
  • 長三和音⇔短三和音の交替頻度2(mod_frq):長短三和音の出現回数(maj+min)あたりの割合
  • 曲頭において先に出現するのは長三和音(1)・短三和音(-1)のどちらか(in)
  • 曲尾において後に出現するのは長三和音(1)・短三和音(-1)のどちらか(out)
これらの特徴量について、対象となる交響曲毎の平均値を計算して各交響曲の特徴ベクトルとし、これに加えてマーラーの交響曲全体の平均値、これまで分析対象としてきたマーラーの作品全体(全交響曲に若干の歌曲を加えたもの)の平均値、更に今回は現在手元にあるマーラーの作品のMIDI全体の平均値も計算して、以下の3つを交響曲単位の特徴ベクトルに加えて分析対象とした。
  • gm:これまで分析対象としてきたマーラーの作品全体(全交響曲に若干の歌曲を加えたもの)の平均値
  • gm_all:現在手元にあるマーラーの作品のMIDI全体の平均値
  • gm_sym:マーラーの交響曲全体の平均値
比較対象のための対照群としては、本ブログでこれまでに公開してきた和音出現頻度に基づく分析で使用した以下の作曲家の作品のデータを利用した。実験群同様、対象となる各作曲家の作品全体の平均値を計算し、これを対照群の特徴ベクトルセットとした。

  • ペルゴレージ(ファイル数:28, のべ拍数:8019)         
  • グルック(ファイル数:19, のべ拍数:4791)
  • ハイドン(ファイル数:110, のべ拍数:123061) 
  • モーツァルト(ファイル数:957, のべ拍数:636619) 
  • シューマン(ファイル数:102, のべ拍数:133234) 
  • ブラームス(ファイル数:132, のべ拍数:188627) 
  • ブルックナー(ファイル数:70, のべ拍数:61947) 
  • フランク(ファイル数:62, のべ拍数:59554) 
  • シベリウス(ファイル数:17, のべ拍数:17769) 
  • スクリャービン(ファイル数:62, のべ拍数:18640) 
  • ラヴェル(ファイル数:55, のべ拍数:39135) 
  • ショスタコーヴィチ(ファイル数:71, のべ拍数:39229)

1.3.分析手法と分析環境 

 分析方法および分析環境についても従来の分析を引き継ぎ、R言語(version 4.1.0 (2021-05-18版)を用いて以下の分析を行い、履歴を保存した。

A.非階層クラスタリング:kmeansを使用。

  •   結果のグラフ表示には、clusterライブラリのclusplotを使用。  

B.階層クラスタリング:hclustを使用。

  •   complete法, average法, ward法の3種類を使用。

C.主成分分析:prcompを使用。

  •   特徴ベクトルの要素間のスケールに違いがあるため、scale=T。
  •   説明率90%を目安として負荷と主成分得点を計算。
  •   結果のグラフ表示には、ggbiplotライブラリのggbiplotを使用。
  •   負荷と主成分得点はbarplotでグラフ化。

1.4.アーカイブファイルの内容

アーカイブファイル長短交替_他の作曲家の作品との比較.zip中には以下のファイルが含まれる。

分析条件・履歴

  • 入力ファイル:gm_control_sheet12.csv
  • 色指定ファイル:gm_control_sheet12_col.csv
  • ラベルファイル:gm_control_sheet12_label.csv
  • 履歴:hist.txt

階層クラスタ分析

  • hclust_complete.pdf:complete法でのクラスタリング結果のデンドログラム
  • hclust_average.pdf:average法でのクラスタリング結果のデンドログラム
  • hclust_ward.D2.pdf:ward法でのクラスタリング結果のデンドログラム

非階層クラスタ分析(kmeans法、クラスタ数=6)

  • kmeans6.pdf:分類結果の主成分平面へのプロット
  • kmeans6.csv:分類結果の出力
主成分分析
  • prcomp_T.pdf:主成分分析(scale=T)の結果
  • ggbiplot12.pdf:第1・第2主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • ggbiplot23.pdf:第2・第3主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • ggbiplot34.pdf:第3・第4主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • pr_score-1.pdf:第1主成分得点
  • pr_score-2.pdf:第2主成分得点
  • pr_score-3.pdf:第3主成分得点
  • pr_score-4.pdf:第4主成分得点
  • prcomp_PC1.pdf:第1主成分負荷
  • prcomp_PC2.pdf:第2主成分負荷
  • prcomp_PC3.pdf:第3主成分負荷
  • prcomp_PC4.pdf:第4主成分負荷

2.分析結果
2.1.階層クラスタ分析
(a)complete法


(b)average法

(c)ward法

2.2.非階層クラスタ分析(k-means法, クラスタ数=6)

                 1 2 3 4 5 6
  baroque   0 0 1 0 0 0
  classic      1 0 0 0 2 0
  gm           1 0 2 0 0 0
  gm_sym   1 1 1 4 2 2
  modern    0 0 2 0 0 1
  romantic1 4 0 0 0 0 0
  romantic2 0 0 1 0 0 0

    gm gm_all gm_sym   erde   sym1   sym2   sym3   sym4   sym5   sym6 
      3      1          3           6        4        4         1          3         5         2 
  sym7   sym8   sym9  sym10    wam    jbp     ab    asc     cf   dsch 
      4      6          5         4           5        3        1      3      1      3 
   fjh     jb     js     mr   rsch   chwg 
     5      1      3      6      1      1 


2.3.主成分分析

scale=Tでのprcompのsummaryは以下の通り

Importance of components:
                                   PC1      PC2     PC3      PC4
Standard deviation       1.5417 1.1941 1.0753 0.8232
Proportion of Variance  0.3962 0.2377 0.1927 0.1129
Cumulative Proportion  0.3962 0.6338 0.8265 0.9395

第4主成分(PC4)までで累積寄与率が90%を超えるので、第1主成分から第4主成分まで(PC1~PC4)のプロット、主成分得点・負荷を以下に示す。

(A-1)第1・第2主成分平面でのプロット


(A-2)第2・第3主成分平面でのプロット

(A-3)第3・第4主成分平面でのプロット


(B-1)第1主成分得点・負荷



(B-2)第2主成分得点・負荷



(B-3)第3主成分得点・負荷

(B-4)第4主成分得点・負荷


[ご利用にあたっての注意] 公開するデータは自由に利用頂いて構いません。あくまでも実験的な試みを公開するものであり、作成者は結果の正しさは保証しません。このデータを用いることによって発生する如何なるトラブルに対しても、作成者は責任を負いません。入力として利用させて頂いたMIDIファイルに起因する間違い、分析プログラムの不具合に起因する間違いなど、各種の間違いが含まれる可能性があることをご了承の上、ご利用ください。  

(2021.12.17公開)


MIDIファイルを入力とした分析:長短三和音の交替から見たマーラーの交響曲 2.作品間の比較(楽章単位)

1.分析の概要

1.1.分析対象の作品

従来の分析同様、マーラーの交響曲全曲(第1交響曲~第10交響曲および「大地の歌」)を対象とした。なお、第10交響曲はクックによる5楽章版を対象とした。

1.2.分析対象の特徴量と分析環境・手法

 作品を構成する楽章・曲単位に作成されたMIDIファイル毎に、各拍において長三和音、短三和音の出現状況に注目して、以下の特徴量を集計した。出現頻度については、長三和音・短三和音の出現回数、長三和音⇔短三和音の交替頻度のいずれについても曲の長さ(拍数)の違いを吸収するために出現回数を総拍数で割って単位拍数あたりの割合(それぞれmaj, min, mod)とし、更に交替頻度については長短三和音の出現回数(maj+min)で割った割の合(以下のmod_frq)も計算した。また、曲頭において先に出現するのは長三和音・短三和音のどちらか(in)および曲尾において後に出現するのは長三和音・短三和音のどちらか(out)の判定も行った。従って特徴量は以下の6種類となる。

  • 長三和音の出現頻度(maj):単位拍数あたりの割合
  • 短三和音の出現頻度(min):単位拍数あたりの割合
  • 長三和音⇔短三和音の交替頻度1(mod):単位拍数あたりの割合
  • 長三和音⇔短三和音の交替頻度2(mod_frq):長短三和音の出現回数(maj+min)あたりの割合
  • 曲頭において先に出現するのは長三和音(1)・短三和音(-1)のどちらか(in)
  • 曲尾において後に出現するのは長三和音(1)・短三和音(-1)のどちらか(out)
これらの特徴量について、対象となるファイル毎(楽章毎に相当)に計算した結果を分析対象とした。

1.3.分析手法と分析環境 

 分析方法および分析環境についても従来の分析を引き継ぎ、R言語(version 4.1.0 (2021-05-18版)を用いて以下の分析を行い、履歴を保存した。

A.非階層クラスタリング:kmeansを使用。

  •   結果のグラフ表示には、clusterライブラリのclusplotを使用。  

B.階層クラスタリング:hclustを使用。

  •   complete法, average法, ward法の3種類を使用。

C.主成分分析:prcompを使用。

  •   特徴ベクトルの要素間のスケールに違いがあるため、scale=T。
  •   説明率90%を目安として負荷と主成分得点を計算。
  •   結果のグラフ表示には、ggbiplotライブラリのggbiplotを使用。
  •   負荷と主成分得点はbarplotでグラフ化。

1.4.アーカイブファイルの内容

アーカイブファイル長短交替_作品間比較_楽章単位.zip中には以下のファイルが含まれる。

分析条件・履歴

  • 入力ファイル:gm_sym_sheet12.csv
  • 色指定ファイル:gm_sym_sheet12_col.csv
  • ラベルファイル:gm_sym_sheet12_label.csv
  • 履歴:hist.txt

階層クラスタ分析

  • hclust_complete.pdf:complete法でのクラスタリング結果のデンドログラム
  • hclust_average.pdf:average法でのクラスタリング結果のデンドログラム
  • hclust_ward.D2.pdf:ward法でのクラスタリング結果のデンドログラム

非階層クラスタ分析(kmeans法、クラスタ数=4)

  • kmeans4.pdf:分類結果の主成分平面へのプロット
  • kmeans4.csv:分類結果の出力
主成分分析
  • prcomp_T.pdf:主成分分析(scale=T)の結果
  • ggbiplot12.pdf:第1・第2主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • ggbiplot23.pdf:第2・第3主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • ggbiplot34.pdf:第3・第4主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • pr_score-1.pdf:第1主成分得点
  • pr_score-2.pdf:第2主成分得点
  • pr_score-3.pdf:第3主成分得点
  • pr_score-4.pdf:第4主成分得点
  • prcomp_PC1.pdf:第1主成分負荷
  • prcomp_PC2.pdf:第2主成分負荷
  • prcomp_PC3.pdf:第3主成分負荷
  • prcomp_PC4.pdf:第4主成分負荷

2.分析結果
2.1.階層クラスタ分析
(a)complete法

(b)average法

(c)ward法


2.2.非階層クラスタ分析(k-means法, クラスタ数=4)

       1 2 3 4
  I    2 1 1 0
  II   2 2 1 0
  III  1 1 4 0
  IV   2 0 1 1
  IX   1 0 2 1
  LE   2 1 3 0
  V    1 0 3 1
  VI   0 1 1 2
  VII  3 1 1 0
  VIII 1 0 1 0
  X    3 1 1 0

erde_1_B erde_2_B erde_3_B erde_4_B erde_5_B erde_6_B   m1_1_B   m1_2_B 
       2        1        3        3        3        1        1        3 
  m1_3_B   m1_4_B   m2_1_B   m2_2_B   m2_3_B   m2_4_B   m2_5_B   m3_1_B 
       2        1        2        3        2        1        1        3 
  m3_2_B   m3_3_B   m3_4_B   m3_5_B   m3_6_B   m4_1_B   m4_2_B   m4_3_B 
       3        2        1        3        3        1        1        3 
  m4_4_B   m5_1_B   m5_2_B   m5_3_B   m5_4_B   m5_5_B   m6_1_B   m6_2_B 
       4        4        1        3        3        3        4        2 
  m6_3_B   m6_4_B   m7_1_B   m7_2_B   m7_3_B   m7_4_B   m7_5_B   m8_1_B 
       3        4        1        2        1        3        1        3 
  m8_2_B   m9_1_B   m9_2_B   m9_3_B   m9_4_B   m101_B   m102_B   m103_B 
       1        1        3        4        3        3        1        1 
  m104_B   m105_B 
       2        1  



2.3.主成分分析

scale=Tでのprcompのsummaryは以下の通り

Importance of components:
                                  PC1      PC2     PC3    PC4     
Standard deviation       1.4708 1.2027 1.0966 0.8514
Proportion of Variance  0.3605 0.2411 0.2004 0.1208 
Cumulative Proportion  0.3605 0.6016 0.8021 0.9229


第4主成分(PC4)までで累積寄与率が90%を超えるので、第1主成分から第4主成分まで(PC1~PC4)のプロット、主成分得点・負荷を以下に示す。

(A-1)第1・第2主成分平面でのプロット



(A-2)第2・第3主成分平面でのプロット



(A-3)第3・第4主成分平面でのプロット



(B-1)第1主成分得点・負荷



(B-2)第2主成分得点・負荷



(B-3)第3主成分得点・負荷



(B-4)第4主成分得点・負荷




[ご利用にあたっての注意] 公開するデータは自由に利用頂いて構いません。あくまでも実験的な試みを公開するものであり、作成者は結果の正しさは保証しません。このデータを用いることによって発生する如何なるトラブルに対しても、作成者は責任を負いません。入力として利用させて頂いたMIDIファイルに起因する間違い、分析プログラムの不具合に起因する間違いなど、各種の間違いが含まれる可能性があることをご了承の上、ご利用ください。  

(2021.12.17公開)


MIDIファイルを入力とした分析:長短三和音の交替から見たマーラーの交響曲 1.作品間の比較

 1.分析の概要

1.1.分析対象の作品

従来の分析同様、マーラーの交響曲全曲(第1交響曲~第10交響曲および「大地の歌」)を対象とした。なお、第10交響曲はクックによる5楽章版を対象とした。

1.2.分析対象の特徴量と分析環境・手法

 作品を構成する楽章・曲単位に作成されたMIDIファイル毎に、各拍において長三和音、短三和音の出現状況に注目して、以下の特徴量を集計した。出現頻度については、長三和音・短三和音の出現回数、長三和音⇔短三和音の交替頻度のいずれについても曲の長さ(拍数)の違いを吸収するために出現回数を総拍数で割って単位拍数あたりの割合(それぞれmaj, min, mod)とし、更に交替頻度については長短三和音の出現回数(maj+min)で割った割の合(以下のmod_frq)も計算した。また、曲頭において先に出現するのは長三和音・短三和音のどちらか(in)および曲尾において後に出現するのは長三和音・短三和音のどちらか(out)の判定も行った。従って特徴量は以下の6種類となる。

  • 長三和音の出現頻度(maj):単位拍数あたりの割合
  • 短三和音の出現頻度(min):単位拍数あたりの割合
  • 長三和音⇔短三和音の交替頻度1(mod):単位拍数あたりの割合
  • 長三和音⇔短三和音の交替頻度2(mod_frq):長短三和音の出現回数(maj+min)あたりの割合
  • 曲頭において先に出現するのは長三和音(1)・短三和音(-1)のどちらか(in)
  • 曲尾において後に出現するのは長三和音(1)・短三和音(-1)のどちらか(out)
これらの特徴量について、対象となる作品毎の平均値を計算し、これに加えてマーラーの交響曲全体の平均値、これまで分析対象としてきたマーラーの作品全体(全交響曲に若干の歌曲を加えたもの)の平均値、更に今回は現在手元にあるマーラーの作品のMIDI全体の平均値も計算して、以下の3つを交響曲単位の特徴ベクトルに加えて分析対象とした。
  • gm:これまで分析対象としてきたマーラーの作品全体(全交響曲に若干の歌曲を加えたもの)の平均値
  • gm_all:現在手元にあるマーラーの作品のMIDI全体の平均値
  • gm_sym:マーラーの交響曲全体の平均値

1.3.分析手法と分析環境 

 分析方法および分析環境についても従来の分析を引き継ぎ、R言語(version 4.1.0 (2021-05-18版)を用いて以下の分析を行い、履歴を保存した。

A.非階層クラスタリング:kmeansを使用。

  •   結果のグラフ表示には、clusterライブラリのclusplotを使用。  

B.階層クラスタリング:hclustを使用。

  •   complete法, average法, ward法の3種類を使用。

C.主成分分析:prcompを使用。

  •   特徴ベクトルの要素間のスケールに違いがあるため、scale=T。
  •   説明率90%を目安として負荷と主成分得点を計算。
  •   結果のグラフ表示には、ggbiplotライブラリのggbiplotを使用。
  •   負荷と主成分得点はbarplotでグラフ化。

1.4.アーカイブファイルの内容

アーカイブファイル長短交替_作品間比較.zip中には以下のファイルが含まれる。

分析条件・履歴

  • 入力ファイル:gm_cat_sheet12.csv
  • 色指定ファイル:gm_cat_sheet12_col.csv
  • ラベルファイル:gm_cat_sheet12_label.csv
  • 履歴:hist.txt

階層クラスタ分析

  • hclust_complete.pdf:complete法でのクラスタリング結果のデンドログラム
  • hclust_average.pdf:average法でのクラスタリング結果のデンドログラム
  • hclust_ward.D2.pdf:ward法でのクラスタリング結果のデンドログラム

非階層クラスタ分析(kmeans法、クラスタ数=4)

  • kmeans4.pdf:分類結果の主成分平面へのプロット
  • kmeans4.csv:分類結果の出力
主成分分析
  • prcomp_T.pdf:主成分分析(scale=T)の結果
  • ggbiplot12.pdf:第1・第2主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • ggbiplot23.pdf:第2・第3主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • ggbiplot34.pdf:第3・第4主成分空間へのグループ表示つきプロット
  • pr_score-1.pdf:第1主成分得点
  • pr_score-2.pdf:第2主成分得点
  • pr_score-3.pdf:第3主成分得点
  • pr_score-4.pdf:第4主成分得点
  • prcomp_PC1.pdf:第1主成分負荷
  • prcomp_PC2.pdf:第2主成分負荷
  • prcomp_PC3.pdf:第3主成分負荷
  • prcomp_PC4.pdf:第4主成分負荷

2.分析結果
2.1.階層クラスタ分析
(a)complete法

(b)average法

(c)ward法


2.2.非階層クラスタ分析(k-means法, クラスタ数=4)

                      1 2 3 4
  all                 0 0 3 0:gm, gm_all, gm_sym
  sym_LE-9-10 1 1 1 0
  sym1            0 1 0 0
  sym2-4         0 1 2 0
  sym5-7         2 1 0 0
  sym8            0 0 0 1

     gm gm_all gm_sym   erde   sym1   sym2   sym3   sym4   sym5 
       3    3        3              3       2         2         3         3         1 
  sym6   sym7   sym8   sym9  sym10 
     1        2         4         1        2 



2.3.主成分分析

scale=Tでのprcompのsummaryは以下の通り

Importance of components:
                                    PC1    PC2     PC3      PC4
Standard deviation       1.582 1.3818 0.9142 0.73736
Proportion of Variance  0.417 0.3182 0.1393 0.09062
Cumulative Proportion  0.417 0.7352 0.8745 0.96515


第4主成分(PC4)までで累積寄与率が90%を超えるので、第1主成分から第4主成分まで(PC1~PC4)のプロット、主成分得点・負荷を以下に示す。

(A-1)第1・第2主成分平面でのプロット


(A-2)第2・第3主成分平面でのプロット


(A-3)第3・第4主成分平面でのプロット

(B-1)第1主成分得点・負荷


(B-2)第2主成分得点・負荷

(B-3)第3主成分得点・負荷


(B-4)第4主成分得点・負荷



[ご利用にあたっての注意] 公開するデータは自由に利用頂いて構いません。あくまでも実験的な試みを公開するものであり、作成者は結果の正しさは保証しません。このデータを用いることによって発生する如何なるトラブルに対しても、作成者は責任を負いません。入力として利用させて頂いたMIDIファイルに起因する間違い、分析プログラムの不具合に起因する間違いなど、各種の間違いが含まれる可能性があることをご了承の上、ご利用ください。  

(2021.12.17公開)


2021年12月4日土曜日

MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その7:交響曲分類の再分析 2.4.2 平均和音出現割合に基づく交響曲の分類)

 2.分析結果の検討(承前)

2.4.交響曲の分類 

2.4.2.平均和音出現割合に基づく交響曲の分類

平均和音出現割合に基づく交響曲の分類結果について以下で報告する。累計和音出現割合に基づく分析と比べたとき、分類においては明らかに不安定である一方で、主成分分析においては、累積寄与率の観点では概ね同様であるものの、それによる分類は累計和音出現割合に基づく分析とはやや異なるものとなった。分析方針の項で述べたように、平均和音出現割合では、楽章の規模の大小が考慮されず、どちらの割合も同じ重みづけで平均されるため、30分を上回る楽章があるかと思えば数分の楽章もあるといった楽章規模の分散が大きいマーラーの交響曲の場合には、累計和音出現割合に基づく分析との差が出やすいという予想が成り立つ。そしてこの分析結果はその傾向が顕れたものである可能性があるが、それを確認するには、より詳細な累計和音出現割合に基づく分析との比較が必要だろう。


2.4.2.1階層クラスタ分析

complete法、average法、ward法の3種の分析方法によるクラスタリング結果のデンドログラムは後掲の通りだが、以下はそれらに共通のレジェンドとなる。

  • m1~m10:第1交響曲~第10交響曲
  • erde:「大地の歌」
3つのグラフを比較すると直ちにわかる通り、枝の末端部分については3種の手法とも共通であり、第2,3交響曲+第4交響曲/第6交響曲と「大地の歌」/第5,7交響曲、第9,10交響曲というグループは相対的には安定しているが、それより上位の階層の構造は手法によって差があり、不安定な様子が窺える。そしてこの安定したグループは累計和声出現割合の場合と概ね共通していることが確認できる。

(a)complete法


(b)average法


(c)ward法


2.4.2.2.主成分分析

寄与率・累積寄与率を確認すると以下の通りであった。


上記より累積寄与率が90%を超える第4主成分迄を対象にプロットを行い、得点と負荷を確認することとした。この分析では上位成分から、41%、31%、12%で第1主成分と第2主成分があまり変わらないのに加えて、両者で累積70%を超える程度であり、下位主成分の寄与分がかなり残されているため、この点に留意して分析結果を検討する必要がある。


以下に第1主成分を横軸・第2主成分を縦軸にとったbiplotを示す。
ラベルの意味はこれまでのクラスタリング結果と同様で、以下の通り。
  • m1~m10:第1交響曲~第10交響曲
  • erde:「大地の歌」

ここで確認できるのは、第1、第2主成分による平面上のグループ分けとしては以下が妥当に思われるということである。

第1交響曲(右上隅)/第2,3,4交響曲(上側左寄り)/第5,7交響曲(中央やや右寄り)/第9,10交響曲(右下隅)/「大地の歌」、第6交響曲、第8交響曲(左側下寄り)

そしてこのグループは、階層クラスタ分析において相対的に安定していた下の階層の枝の末端の部分に対応していることがわかる。上記のグループを更に統合して、上位のグループを作ろうとすると、それぞれの独立性が高くてグループ間の距離に差がないことが、上位の階層における分類が安定しない理由であることがわかる。

更に言えば、上述のグループ分けは時代区分によるクラス分けと概ね一致するが、左側下寄りの「大地の歌」、第6交響曲、第8交響曲のグループは時代区分に関しては横断的であるため、時代区分毎に分類されるという累計和音出現割合の分析結果のようにはならないことが想定される。

以下では分析対象の各交響曲を時代区分によってクラス分けしたものについて、ggbiplotで第1,2主成分、第2,3主成分、第3,4主成分でプロットした結果、および第1~第4主成分の主成分得点・負荷を示すことにする。

以下のグラフ共通でクラスと色、およびクラスに帰属するグループの対応を示すと以下の通りである。
  • sym1(黄土色):第1交響曲
  • sym2-4(緑色):第2~4交響曲
  • sym5-7(青):第5~7交響曲
  • sym8(紫):第8交響曲
  • LE_9_10(赤):「大地の歌」・第9,10交響曲

 (a)第1主成分(横軸)・第2主成分(縦軸)

「大地の歌」と第6交響曲の距離が近いため、中期(青)と後期(赤)の楕円の径が大きくなり、かつクロスしてしまっていることがわかる。寧ろ「大地の歌」と第9交響曲の間に区分を置いた方が、この平面での分割に対しては自然のようである。


 (b)第2主成分(横軸)・第3主成分(縦軸)


第2主成分(ここでは横軸)は、概ね時代区分に沿っており初期から後期へ概ね右から左へと変化していくと捉えることができるだろう。一方第3主成分(縦軸)で中期(青:上側)と後期(赤:中央)という傾向が見られるため、結果としてこの平面の方が、第1、第2主成分平面よりも時代区分に沿った分類が得られている。


 (c)第3主成分(横軸)・第4主成分(縦軸)


第3、第4主成分は合わせても2割程度の寄与率にしかならず、かつこの平面でのプロットは、時代区分との対応は見出し難い。第4主成分(縦軸)側については、大きく上側中央付近と下側の隅寄りに分離する傾向が認められるだろう。


 (d)第1主成分得点・負荷

負荷は転回や解離を除いて和音をビット列化したものの十進数表現であり、代表的なものを示すと以下の通りである。

1:単音(mon)、3 :五度(dy:5)、5 :長二度(dy:+2)、9 :短三度(dy:-3)、17 :長三度(dy:+3)、33 :短二度(dy:-2)、65 :増四度(dy:aug4)、25 :短三和音(min3)、19 :長三和音(maj3)、77 :属七和音(dom7)、93 :属九和音(dom9)、27 :付加六(add6)、69 :イタリアの増六(aug6it)、73 :減三和音、273(dim3) :増三和音(aug3)、51 :長七和音(maj7)、153 :トリスタン和音(tristan)、325 :フランスの増六(aug6fr)、585 :減三+減七、89 :減三+短七、275 :増三+長七、281 :短三+長七


この成分の負荷の特徴は、マイナス側を構成する主要な和音が、長短三和音と付加六であるのに対して、プラス側は、単音・重音が目立つ点である。長調/短調のコントラストが明確な上に、付加六が加わることで、長調と短調を宙吊りにする傾向もあって、音が厚くて調的なコントラストが鮮明な作品がマイナスということだろうか。得点上、マイナス側が優位なのは、第6交響曲、第8交響曲と「大地の歌」であり、確かに明暗のコントラストがはっきりとした作品ということは言えそうである。また曲全体のイメージとしてはぞれぞれ短調・長調・付加六がその曲を代表する和音である点は興味深い。

 
(e)第2主成分得点・負荷

平均和音出現割合で時代区分に忠実なのはこの第2主成分であり、第5交響曲を境界として、初期がプラス、後期がマイナスの傾向が明確である。なおかつ大地の歌を除けば、プラス・マイナスの大きさについても時系列に沿ったものとなっており、マーラーの交響曲の創作時期に沿った漸進的な変化を捉えているものと言えるのではないか。
この成分の特徴は、第1主成分とは異なって、長・短調の三和音と付加六で正負が分かれている点であり、これを時代区分に合わせるならば、古典的な調性感が明確な作品から、調性の拡大へと向かう方向性を示す成分であるということになろうか。


 (f)第3主成分得点・負荷


第3主成分の特徴は、強いて言うならば、短調的な要素の優位ということになろうか。これは得点がマイナス方向に振れているのが振れ幅が大きい順に第8交響曲、第4交響曲、第1交響曲という順番で、イメージとしては明るくて肯定的なイメージが強い作品であることからも窺える。一方でプラス方向の最大は、「悲劇的」という副題を持つ第6交響曲ではなく、葬送行進曲とそれに後続するソナタ楽章を第1部に持つ第5交響曲であるという点は興味深い。この点は楽章の規模による偏りが分析対象の特徴量に反映されない平均和音出現割合の特性である可能性が考えられるが、この点については累計和音出現割合での結果との比較などの検討を行う必要があるだろう。


 (g)第4主成分得点・負荷


第4主成分では、マイナス側の第4,5交響曲と大地の歌に対し、残りの曲はわずかだがプラス側となるが、負荷のバランスをどう解釈するかは現時点までで結論に至ることができていない。

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