お知らせ

GMW(Gustav Mahler Werke, グスタフ・マーラー作品番号:国際グスタフ・マーラー協会による)を公開しました。(2025.4.20)

2021年7月22日木曜日

MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その6:全拍対象・マーラーの作品間の比較:2021.7.27更新)

 これまでMIDIファイルを入力とした分析の一環として、和音(コード)の出現頻度に基づくマーラーの交響曲作品50ファイル(楽章単位)の他の作品71ファイルとの比較を試みた結果を「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品」として報告し、次いでその第2報として比較対象となる作品数を増やして、マーラーの作品50ファイルに対して、他の作曲家の作品200ファイルの合計250ファイルでの分析結果について「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その2:拡張版)」として報告しました。更に2つの報告を補完する分析として、各和音毎の出現頻度の傾向を、マーラーの交響曲と比較対象となる作品群との間で比較した、「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その3:補遺 )」を公開しました。

その後、集計プログラムの制約で、対象作品のMIDIデータの各ファイルに含まれる最初の1591拍分のみが分析対象となっていることが判明したため、ファイルに含まれる全ての拍を対象とした分析を、比較対照用のデータを増やし、合計300ファイルを対象として実施した結果を、「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その4:全拍対象・比較対照作品追加・割合比較)」および「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その5:全拍対象・比較対照作品追加・傾向分析)」として公開しました。

上記の経緯を踏まえ、この記事では、マーラーと他の作曲家の作品との間の比較ではなく、マーラーの作品間の比較を目的として主成分分析・因子分析・クラスタ分析を実施した結果について示します。

1.対象データ

 マーラーの作品のうち、本分析に利用可能なMIDIファイルが公開されている以下の作品。(合計64ファイル、以下の括弧内はファイル数。)

  • 「大地の歌」、交響曲第1番~第10番(クック版)計11曲の各楽章(50)
  • 「さすらう若者の歌」(4)
  • 「リュッケルトによる5つの歌曲」(5)
  • 「子供の死の歌」から第1曲「いま太陽は晴れやかに昇る」 (1)
  • 「子供の魔法の角笛」から「夏の交替」「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」「ラインの小伝説」「美しいトランペットが鳴り響くところ」(4)

分析は以下の2つの単位で行った。

 (1)交響曲楽章50および歌曲14の合計64ファイルについてファイル単位
   (2)交響曲(第10番クック版、「大地の歌」を含む11曲)について作品単位

2.分析に用いた特徴量

 対象データの各拍に出現する和音パターンのうち、抽出対象とした131種のうち、(1)対象作品全体(2)交響曲全体のそれぞれの合計の上位40位まで。
 以下に示す通り、(1)ファイル単位の場合と(2)交響曲の作品単位の場合との間で順位の変動はあるものの、40位までに含まれる和音パターンの種類は同一である。
 上位40位までで、いずれの場合でも86%を超える被覆率であるが、ここで分析対象から除外された和音の中に、作品を特徴づける和音がないと主張しているわけではない。どちらかといえば、ここで採用している統計的な分析手法の性質から、出現頻度が低い特徴量を分析に含めてもそれが分析結果に影響する可能性は低い。今回の分析の際にも131の全ての和音を対象とした分析から、従来、マーラーの作品と他の作曲家の作品の比較対照の分析の際に用いた22種の和音を対象としたまで、幾つかのパターンでの分析を試行したが、その過程を通じて、分析対象の和音を増やしても分析結果の大きな傾向には影響しないことが確認できた一方で、従来の22種の和音については、それらのうちの幾つかはマーラーの作品における出現頻度割合の上位を占めてはおらず、マーラーの作品間での比較分析を行うための特徴量としては必ずしも適切でないことから、マーラーの作品で出現頻度が高い和音を分析対象とすることが適切であるという判断をするに至った。なお、出現頻度という特徴量の扱いに関しては、主成分分析を行う上で検討の余地があるが、この点については後述の3.分析手法の該当箇所に記載する。

 尚ここでの被覆率とは、抽出対象とした131種類の出現頻度合計を100%とした時の比率であり、抽出対象とならなかった和音を含めた各拍に出現する全和音を母数としているわけではない。
 但し分析対象となった総拍数92,355のうち抽出対象とならなかった拍は1,404で1.5%程度であり、抽出対象外の和音で上位40位までの頻度を持つものはないので、未抽出の和音が存在することが今回の分析結果に与える実質的な影響はない。とはいえ個別のファイルについてみた場合には、未分析の拍の割合が5%程度のものも含まれているため、当該ファイルについて上位40種類の和音の中に未分析のものが含まれる可能性は残されている。そうした和音を分析対象外とすることで、重要な特徴が見落とされてしまう可能性はあり、これらについては今後、更に未分析の和音を更に減らしていき、更に分析対象の和音の選択基準について吟味する必要があると考える。

 2-1.分析対象としたマーラー作品全体(計64ファイル)での和音出現割合(上位40種)
2-1-a.対象データについて横軸にファイル(楽章・作品)、奥行きに和音種別(頻度順)、高さに出現頻度をプロットした地形図
ファイルは左から「大地の歌」、番号順の交響曲、歌曲の順(1.対象データで示した順)
最頻割(y=0)の最大は第3交響曲第5楽章(z=39.8、単位は%)で、以下の地形図ではx=19, y=0の座標が最高点でそこだけ色がはっきりと青くなっているのが確認できる。

2-1-b.出現頻度降順に和音を並べたヒストグラム
ここでは全作品・楽章(ファイル)での各和音の出現頻度の合計値に基づき割合を計算し、順位を決定している。

 2-2.マーラー交響曲(11曲)全体での和音出現割合(上位40種)
2-2-a.対象データについて横軸に作品(交響曲)、奥行きに和音種別(頻度順)、高さに出現頻度をプロットした地形図
作品は0:「大地の歌」、1以降は交響曲の番号を表す
全体的な傾向として、最頻割合(y=0)について、後期作品の「大地の歌」(x=0)、第9交響曲(x=9), 第10交響曲(x=10)では低め、初期作品では高めの傾向が明確に確認できる。


2-2-b.出現頻度降順に和音を並べたヒストグラム
ここでは全交響曲での各和音の出現頻度の合計値に基づき割合を計算し、順位を決定している。

3.分析手法

 分析はすべてR言語(version 4.1.0 (2021-05-18版)を用いて行った。
 分析履歴をアーカイブに含めた。(hist.txt)

 A.主成分分析:prcompを使用。
  スケーリングについては、(1)ファイル単位の分析ではスケーリングを行わず(scale=FALSE)、説明率89%⇒第7主成分までについて負荷と主成分得点を計算。
  (2)交響曲の作品単位の分析では、従来通りスケーリングを行う(scale=TRUE)場合と行わない(scale=FALSE)場合の両方を実施。
  前者では説明率93%⇒第7主成分までについて負荷と主成分得点を計算。
  後者では説明率91%⇒第4主成分までについて負荷と主成分得点を計算。
  分析結果はggbiplotとbiplotでグラフ化。負荷と主成分得点はbarplotでグラフ化。

 なおスケーリングについて、ここでコメントをしておきたい。prcompのscale引数は論理値型でデフォルトではF、即ちスケーリングを行わない。スケーリングを行うか行わないかの違いは、分析を行う行列の違いであり、スケーリングを行う場合には相関行列から、スケーリングを行わない場合には、分散共分散行列から主成分分析が行われる。スケーリングを行わないのがデフォルトなのはR言語の仕様の歴史的な事情によるものであり、分析に用いる特徴量が同一単位でありかつ等分散であることが保障されない限りは、通常、スケーリングは実施するものとされている。

 今回の分析についていえば、使用している特徴量は全て、ある和音のあるファイルの中での出現頻度であるからスケーリングをする必要はない筈である。(問題になるとしたら寧ろ、特徴量間に相関があることの方であろう。)ところが、従来のマーラー作品と他の作曲家の作品との比較対照においてはスケーリングを行った分析結果を公開してきており、更に今回はファイル単位の分析についてはスケーリングを行わず、交響曲の作品単位での分析ではスケーリングを行う場合と行わない場合の両方の結果を示すことにしたが、これらの方針については異論が考えられるので、ここでの立場を述べておきたい。

 今回の分析に限って言えば、スケーリングを行わない場合、ある和音の出現頻度と別の和音の同じファイル・作品での出現頻度の比はそのままに分析が行われるのに対して、スケーリングを行えば、相関行列の計算結果によってその比が調整されるという見方ができるだろう。いずれの場合でも、ある和音の出現頻度のファイル(楽章なり作品)間での違い(2-2-a.の地形図では、横軸方向の高さの比)の傾向は保たれるのだが、和音の間の比(2-2-a.の地形図では奥行方向の高さの比)については、スケーリングを行うことで調整がされ、今回のケースでは、大まかに言って、2-2-b.の出現頻度の降順に並べたグラフで横軸方向に右下がりとなるグラフにおける頻度の下がり具合が小さくなることになる。一例を挙げるならば、スケーリングをしない場合には、長三和音(19)・短三和音(25)がそれぞれ全体の約15%,約8%を占めていて、40位の増四度(65)が約0.5%を占めているので、長三和音/短三和音/増四度の出現頻度比は30/16/1であるのが、スケーリングをすると相関行列の計算結果に基づいて調整がされることにより、この比が小さくなる。その結果として分析における主成分負荷の各特徴量における大きさ(biplotで表示される各和音の負荷量の矢印の長さ)の差が、スケーリングをすることで小さくなっていることが確認できる。結果として各作品のグラフの中での相対的な位置関係のトポロジーについては大まかには保存されているものの、具体的な空間内での方向や距離については変化が起こることになる。言ってみれば、今回のケースにおいてスケーリングを行うことは、各和音間の出現頻度の割合の大小の違いよるバイアスを除いて、それぞれの和音の出現頻度の作品ないし楽章(ファイル)の間での違いについて、異なる単位の特徴量を用いた主成分分析におけるようにスケーリングを行うことによって、恰も和音毎にそれぞれ独立に考慮したらどうなるかを示していることになると考えられるだろう。

 一方、上記とは別に、分析に用いる変数(特徴量)よりもサンプルの数が少ない場合の分析の有効性に問題があることが指摘されている。今回の分析では、(2)交響曲の作品単位の分析においてはサンプル数が11であるのに対して、変数である出現頻度割合の和音の数を40としているので、まさにこの問題のケースに該当していることになる。だがこれは、技術的なレベルで捉えた時には、因子分析である手法を採用した場合に相関行列ないし共分散行列がランク落ちして逆行列が求まらないという問題が生じるからであり、実際、今回のケースでも因子分析はそのために実施していない。一方で主成分分析は計算上、上記のような問題とは関係がないため、計算上は支障がない。だからといって計算結果が信頼できるかどうかは別の問題であり、これを回避しようと思えば、変数選択を行い、分析に使用する和音の数を減らせばよいわけであるが、実際に分析をした結果、大きな問題はなさそうであったため、この点については今後、更に分析・検討を行って、より適切な結果に置換していく可能性はあるが、一旦は40変数での結果をそのまま示すこととしたものである。

 B.因子分析:factanalを使用。(2)交響曲の作品単位だとサンプル数が11であり、特徴量40に対して少なすぎて分析できないため、(1)ファイル単位の場合のみ実施。
  因子数の決定は相関行列の固有値を参照:固有値が2以上⇒5因子と決定。
  rotationはvarimax(直交回転), promax(斜交回転)の両方を試行。
  分析結果はbilplotでグラフ化。負荷と因子得点はbarplotでグラフ化。

 なお作品ないし楽章における和音の出現頻度の割合という同じ特徴量を用いて、主成分分析と因子分析という異なる因果関係を持つ分析を行うことの是非についての考え方を記していおきたい。よく知られているように、主成分分析は多数の観測変数から少数の主成分(合成変数)を作り出す手法であり、観測変数が原因、主成分は結果であるのに対して、因子分析は観測変数に影響を与えている共通因子を抽出する方法であり、共通因子が原因で観測変数が結果となることから、両分析では因果関係が逆になるとされる。ここで観測変数は和音の出現頻度割合であるから、主成分分析では出現頻度割合によって和音がどのようにグルーピングできるかを示しており、因子分析では複数の和音の出現頻度割合に影響を与えている共通因子を仮定して、それぞれの共通因子が、どの和音の出現頻度割合にどれくらい寄与しているのかを示していることになる。従って、一般には、ある対象に対して分析を行い際には、どちらの分析を行うのが妥当であるかを検討すべきであると言われることが多いのだが、ここでの立場は、和音の出現頻度割合について、予めて特定の因果関係を前提とせずに、観点の違う分析を行って、結果を眺めることでマーラーの作品間の特徴の違いを探ることを目的としている。ちなみに因子分析においては変数がサンプル数よりも多い場合に問題が起こる場合があることが知られており、今回も実際に、交響曲について作品単位(サンプル数11)で40種類の和音の出現頻度割合を用いて因子分析を行おうとすると、相関行列のランク落ちが発生して、事前共通性の推定値に用いる重相関係数の2乗(SMC)が求めることができないため、作品単位の分析には因子分析は用いていない。同様の状況で主成分分析を行うことの是非については、主成分分析について記載した部分でコメントをしているので、そちらを参照されたい。

 C.階層クラスタリング:hclustを使用。(1)(2)の両方で実施。

  いずれもcomplete(デフォルト)、average、ward02の3種類の方式で計算。
  結果をデンドログラムでグラフ化。

4.分析結果の概要

以下では分析結果の概要を示すことを目的とし、結果の一部のみを示す。詳細については後述のアーカイブファイル中の結果を参照。

(1)ファイル単位の分析結果の概要

A.主成分分析

A-1-1.第1、第2主成分でプロット

A-1-2.作曲時期別に色分けをした結果:初期(第1~4)交響曲(赤)・中期(第5~7)交響曲(緑)・後期(第8~10と大地の歌)交響曲(水色)

A-1-3.作品別に色分けをした結果
凡例の略語は erde「大地の歌」、kwh「子供の魔法の角笛」、lfg「さすらう若者の歌」、rckrt「リュッケルト歌曲集」、sym[1-10]:交響曲第1~10番

A-2.第1主成分得点・負荷

得点のグラフの色と作品の対応は、左側から右側へ順番に以下の通りである。

 大地の歌(赤)・第1交響曲(緑)・第2交響曲(青)・第3交響曲(水色)・
 第4交響曲(紫)・第5交響曲(黄)・第6交響曲(灰色)・第7交響曲(黒)・
 第8交響曲(赤)・第9交響曲(緑)・第10交響曲(青)・
 さすらう若者の歌(水色)・リュッケルト歌曲集(紫)・子供の魔法の角笛(黄)


B.因子分析(斜交回転のみ、直交回転は略)

B-1.第1因子・第2因子でプロット

B-2.第1因子得点・負荷量


C.階層クラスタ分析
c-1.complete法

(2)交響曲の作品単位の分析結果の概要

A-a.主成分分析(スケーリングあり)

A-a-1-1.第1、第2主成分でプロット


A-a-1-2.第1、第2主成分でプロット:作曲時期で色分けした結果

初期(第1~4)交響曲(赤)・中期(第5~7)交響曲(緑)・後期(第8~10と大地の歌)交響曲(水色)

A-a-1-3.第2、第3主成分でプロット:作曲時期で色分けした結果


A-a-2.第2主成分得点・負荷

得点のグラフの色と作品の対応は、初期(第1~4)交響曲(赤)・中期(第5~7)交響曲(緑)・後期(第8~10と大地の歌)交響曲(水色)である。

A-b.主成分分析(スケーリングなし)

A-b-1-1.第1、第2主成分でプロット


A-b-1-2.第1、第2主成分でプロット:作曲時期で色分けした結果

初期(第1~4)交響曲(赤)・中期(第5~7)交響曲(緑)・後期(第8~10と大地の歌)交響曲(水色)



A-b-1-3.第2、第3主成分でプロット:作曲時期で色分けした結果


A-b-2.第2主成分得点・負荷

得点のグラフの色と作品の対応は、初期(第1~4)交響曲(赤)・中期(第5~7)交響曲(緑)・後期(第8~10と大地の歌)交響曲(水色)である。



C.階層クラスタ分析
c-1.complete法



5.アーカイブファイルに含まれるファイルの説明

(1)和音出現特徴分析_全拍_マーラー作品.zip
 (https://drive.google.com/file/d/1G-z4DESwO-qbClvMUP3AHi8Wdjd5erse/view?usp=sharing) の中には以下のファイルが含まれます。

(1-a)入力データ
 cfreqA.csv:分析対象の和音(コード)の出現割合(上位40種):分析対象のデータ
 cfreqA_all.csv:分析対象の和音(コード)の出現割合(131種全て)
 col_cfreqA.csv:対象作品の得点に関するbarplotにおける色指定
 class_cfreqA.csv:対象作品の作曲時期別分類ファイル
 hclass_cfreqA.csv:対象作品を作品別分類ファイル
   corresp_cfreqA.csv:生の頻度情報(上位40種)
   corresp_cfreqA_all.csv:生の頻度情報(131種全て)

(1-b)主成分分析系
 gg_prcomp[12,23,34,45,56,67].pdf:主成分分析結果(第1,2成分~第6,7成分・作曲時期別)のggbiplotグラフ
 gg_h_prcomp[12,23,34,45,56,67].pdf:主成分分析結果(第1,2成分~第6,7成分・作品別)のggbiplotグラフ
 prcomp.pdf:主成分分析結果のbiplotグラフ
 pr_score-[1-7].pdf:主成分得点のbarplotグラフ
 prcomp_PC[1-7].pdf:主成分負荷量のbarplotグラフ

(1-c)因子分析系
 (1-c-1)直交回転(varimax):因子数=5
  varimax.pdf:因子分析結果のbiplotグラフ
  vari_score-[1-5].pdf:因子得点のbarplotグラフ
  vari_load-[1-5].pdf:因子負荷量のbarplotグラフ
 (1-c-2)斜交回転(promax):因子数=5
  promax.pdf:因子分析結果のbiplotグラフ
  pro_score-[1-5].pdf:因子得点のbarplotグラフ
  pro_load-[1-5].pdf:因子負荷量のbarplotグラフ
 (1-c-3)相関行列の固有値
   eigen.pdf

(1-d)階層クラスタ分析系:
 hclust_complete.pdf:complete法での分類結果のデンドログラム
   hclust_average.pdf:average法での分類結果のデンドログラム
   hclust_wardD2.pdf:ward法での分類結果のデンドログラム
  
(1-e)分析履歴
  hist.txt:R言語を用いた分析履歴。各分析の数値的な結果を含む。

(2)和音出現特徴分析_全拍_マーラー交響曲.zip
 (https://drive.google.com/file/d/1m2jDEjnNE-j0gHd3t3hn85fgWSq3yDp_/view?usp=sharing) の中には以下のファイルが含まれます。

(2-a)入力データ
 cfreq9A.csv:分析対象の和音(コード)の出現割合(上位40種):分析対象のデータ
 cfreq9A_all.csv:分析対象の和音(コード)の出現割合(131種全て)
 col9_cfreqA.csv:対象作品の得点に関するbarplotにおける色指定
 class9_cfreqA.csv:対象作品の作曲時期別ラベル
   corresp9_cfreqA.csv:生の頻度情報(上位40種)
   corresp9_cfreqA_all.csv:生の頻度情報(131種全て)

(2-b)主成分分析系
 (2-b-1)スケーリングあり
 gg_prcomp[12,23,34,45,56,67].pdf:主成分分析結果(第1,2成分~第6,7成分・スケーリングあり)のggbiplotグラフ
 prcomp.pdf:主成分分析結果(スケーリングあり)のbiplotグラフ
 pr_score-[1-7].pdf:主成分得点(スケーリングあり)のbarplotグラフ
 prcomp_PC[1-7].pdf:主成分負荷量(スケーリングあり)のbarplotグラフ
 (2-b-2)スケーリングなし
 gg_prcomp_F_[12,23,34].pdf:主成分分析結果(第1,2成分~第3,4成分・スケーリングなし)のggbiplotグラフ
 prcomp_F.pdf:主成分分析結果(スケーリングなし)のbiplotグラフ
 pr_score-F_[1-4].pdf:主成分得点(スケーリングなし)のbarplotグラフ
 prcomp_F_PC[1-4].pdf:主成分負荷量(スケーリングなし)のbarplotグラフ

(2-c)因子分析系(なし)
  
(2-d)階層クラスタ分析系:
 hclust_complete.pdf:complete法での分類結果のデンドログラム
   hclust_average.pdf:average法での分類結果のデンドログラム
   hclust_wardD2.pdf:ward法での分類結果のデンドログラム
  
(2-e)分析履歴
  hist.txt:R言語を用いた分析履歴。各分析の数値的な結果を含む。

[ご利用にあたっての注意] 公開するデータは自由に利用頂いて構いません。あくまでも実験的な試みを公開するものであり、作成者は結果の正しさは保証しません。このデータを用いることによって発生する如何なるトラブルに対しても、作成者は責任を負いません。入力として利用させて頂いたMIDIファイルに起因する間違い、分析プログラムの不具合に起因する間違いなど、各種の間違いが含まれる可能性があることをご了承の上、ご利用ください。
(2021.7.22公開、7.23分析に関するコメント追記、7.24対象データの地形図を追加し、コメントを改訂、7.27第2、3主成分でのプロットを追加)

2021年7月7日水曜日

MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その5:全拍対象・比較対照作品追加・傾向分析:2021.7.21更新)

 これまでMIDIファイルを入力とした分析の一環として、和音(コード)の出現頻度に基づくマーラーの交響曲作品50ファイル(楽章単位)の他の作品71ファイルとの比較を試みた結果を「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品」(https://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/02/midi.html)として報告し、次いでその第2報として比較対象となる作品数を増やして、マーラーの作品50ファイルに対して、他の作曲家の作品200ファイルの合計250ファイルでの分析結果について「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その2:拡張版)」(https://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/02/midi2.html)として報告しました。更に2つの報告を補完する分析として、各和音毎の出現頻度の傾向を、マーラーの交響曲と比較対象となる作品群との間で比較した、「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その3:補遺 )」(http://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/03/midi3.html)を公開しました。

その後、集計プログラムの制約で、対象作品のMIDIデータの各ファイルに含まれる最初の1591拍分のみが分析対象となっていることが判明したため、そのことについて各ページで告知するとともに、ファイルに含まれる全ての拍を対象とした分析を今後実施予定の旨、告知しました。当初は公開済の3つの分析それぞれについて全拍を対象とした分析結果を改めて公開する方針で進めていましたが、実際に分析を進めると、大まかな傾向としては分析結果に著しい違いがあるわけではないことがわかってきたため、勿論、厳密な意味では、両者を比較対照できるような形で公開することには意味があるものの、ブログの記事として公開する情報としては稍々冗長との感じを持つようになりました、一方で、比較的手薄だったマーラーの同時代以降の作品のMIDIファイルが公開されており、利用可能であることがわかり、更に比較対照用のデータを増やした分析を行うことができるようになりました。

上記の経緯を踏まえ、この記事ではマーラーの全交響曲と今回更に追加された作品を含む比較対照群の合計300ファイルを対象として主成分分析・因子分析・クラスタ分析を実施した結果について示します。なお今回は、コメントは原則として行わず結果だけを示すことにします。

1.対象データ

  0.アイヴズ 答えのない質問
  1.シベリウス 交響曲第2番、7番、タピオラ、5番3楽章、6番4楽章、3番2楽章
  2.マーラー 交響曲第1~10番、大地の歌
  3.ブラームス 交響曲第1番、2番、3番、4番
  4.ブルックナー 交響曲第1番、4番、5番、7番、8番、9番
  5.ショスタコーヴィチ 交響曲第10番、1番第2楽章、7番第2楽章、9番第1,3,5楽章
  6.モーツァルト 交響曲第38番、39番、40番、41番 
  7.シューマン 交響曲第1番、3番
  8.スクリャービン 交響曲第3番
  9.スメタナ わが祖国
  10.フランク 交響曲
  11.ハイドン 交響曲第83、88、92、96、99~104番
  12.シュニトケ 交響曲第5番=合奏協奏曲第4番第1楽章
  13.ヴェーベルン パッサカリア
  14.バルトーク 管弦楽のための協奏曲
  15.ベートーヴェン 交響曲第3、4、5、6、7番
  16.ベルリオーズ 幻想交響曲
  17.ドヴォルザーク 交響曲第8、9番
  18.エルガー 交響曲第1、2番
  19.メンデルスゾーン 交響曲第3番
  20.ワーグナー パルジファル前奏曲
  21.ラフマニノフ 交響曲第2番
  22.シューベルト 交響曲第8、9番
  23.チャイコフスキー 交響曲第4、5、6番
  24.ペッテション 交響曲第6~16番、交響的断章、ヴァイオリン協奏曲第2番
  25.ストラヴィンスキー 詩篇交響曲
  26.ヴィエルヌ オルガン交響曲第1,2番
  27.シュトラウス アルプス交響曲、死と変容
  28.シェーンベルク 浄夜
  29.ラヴェル ダフニスとクロエ第2組曲
  30.マニャール ベレニス序曲
  31.グルック アウリスのイフゲニア序曲
  32.ホルスト 惑星
  33.ヤナーチェク シンフォニエッタ

2.分析に用いた特徴量:

  単音、重音:完全五度、長二度、短三度、長三度、短二度、増四度
  短三和音、長三和音、属七和音、属九和音、付加六、イタリアの増六
  減三和音、増三和音、長七和音、トリスタン和音、フランスの増六 
    減三+減七、減三+短七、増三+長七、短三+長七

3.分析手法

 分析はすべてR言語(version 4.1.0 (2021-05-18版)を用いて行った。
 分析履歴をアーカイブに含めた。(hist.txt)
 A.主成分分析:prcompを使用。標準化を行う(scale=TRUE)。
  説明率60%⇒第6主成分までについて負荷と主成分得点を計算。
  分析結果はggbiplotとbiplotでグラフ化。負荷と主成分得点はbarplotでグラフ化。
 B.因子分析:factanalを使用。
  因子数の決定は相関行列の固有値を参照:固有値が概ね1以上⇒6因子と決定
  rotationはvarimax(直交回転), promax(斜交回転)の両方を試行。
  分析結果はbilplotでグラフ化。負荷と因子得点はbarplotでグラフ化。
 C.非階層クラスタリング:kmeansを使用。
  クラスタ数はギャップ統計を参考にした。
  kmax=10、最大イテレーション回数=100でclusGapを使用。
  結果をbarplotでグラフ化。
  ⇒クラスタ数8と9で試行した結果をclusplotでグラフ化。

4.分析結果の概要

以下では分析結果の概要を示すことを目的とし、結果の一部のみを示す。詳細については後述のアーカイブファイル中の結果を参照。

A.主成分分析

 A-1-1.第1、第2主成分でプロット:マーラー(水色)・それ以外(赤)


A-1-2.第1、第2主成分でプロット:マーラー(緑)・古典派(赤)・ロマン派(紫)・近現代(水色)

なお、ここではマーラーと比較対象として用いた作品群の比較対照が目的であり、比較対象の作品群の内部構造の分析は目的としていないので、比較対照群の分類は恣意的なものであり、分類に付したラベルもまた便宜的なものである。
  • 古典派:モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、グルック
  • ロマン派:シベリウス、ブラームス、ブルックナー、シューマン、スクリャービン、スメタナ、フランク、ベルリオーズ、ドヴォルザーク、エルガー、メンデルスゾーン、ワグナー、ラフマニノフ、シューベルト、チャイコフスキー、ヴィエルヌ、シュトラウス、マニャール
  • 近現代:アイヴズ、ショスタコーヴィチ、シュニトケ、ヴェーベルン、バルトーク、ペッテション、ストラヴィンスキー、シェーンベルク、ラヴェル、ホルスト、ヤナーチェク

A-1-3.第5、第6主成分でプロット:マーラー(緑)・古典派(赤)・ロマン派(紫)・近現代(水色)

A-1-4.第1、第2主成分でプロット:ファイル名を表示

A-2.第1主成分得点・負荷

なお得点のグラフの色と作曲家の対応は、左側から右側へ順番に以下の通りである。

 マーラー(赤)・アイヴズ(黒)・シベリウス(黒)・ブラームス(緑)・
 ブルックナー(白)・ショスタコーヴィチ(黒)・モーツァルト(青)・
 シューマン(水色)・スクリャービン(黒)・スメタナ(紫)・フランク(黄)・
 ハイドン(青)・シュニトケ(赤)・ヴェーベルン(白)・シベリウス(黒)・
 バルトーク(灰色)・ベートーヴェン(青)・ベルリオーズ(水色)・
 ブラームス(緑)・ブルックナー(白)・ドヴォルザーク(緑)・エルガー(紫)・
 ハイドン(青)・メンデルスゾーン(緑)・ワグナー(水色)・
 ラフマニノフ(黒)・シューベルト(青)・シューマン(水色)・シベリウス(黒)・
 ハイドン(青) ・チャイコフスキー(紫)・ペッテション(黄)・
 ストラヴィンスキー(灰色)・ヴィエルヌ(白)・ショスタコーヴィチ(黒)・
 シュトラウス(緑)・シェーンベルク(青)・ラヴェル(水色)・マニャール(紫)・
 グルック(黄)・ホルスト(灰色)・ヤナーチェク(黒)





B.因子分析(斜交回転のみ、直交回転は略)
B-1.第1因子・第2因子でプロット



B-2.第1因子得点・負荷量








C.非階層クラスタ分析
k-means法、クラスタ数=8での結果

      res
class  1  2   3  4   5  6  7   8
   0   1   0   0  0   0  0  0   0 アイヴズ
   1   0   0   0  1   2  0  3   2   シベリウス
   2   3   1   0  5 19  0  2 20 マーラ―
   3   5   0   6  0   1  0  4   0 ブラームス
   4   6   1   2  1   7  0  1   5 ブルックナー
   5   0   0   0  1   0  4  0   4 ショスタコーヴィチ
   6   1   6   6  0   0  0  1   1 モーツァルト
   7   0   0   6  0   1  0  2   0 シューマン
   8   0   0   0  0   3  0  0   0 スクリャービン
   9   2   0   2  0   1  0  1   0 スメタナ
   10  0   0   0  0   2  0  0  1 フランク
   11  2 23 10  0   0  3  0  2 ハイドン
   12  0   0   0  1   0  0  0  0 シュニトケ
   13  0   0   0  1   0  0  0  0 ヴェーベルン
   14  0   0   0  0   2  1  0  2 バルトーク
   15  3   8   3  0   0  1  3  0 ベートーヴェン
   16  0   0   0  0   2  1  0  2 ベルリオーズ
   17  2   0   1  0   0  0  5  0 ドヴォルザーク
   18  0   0   0  1   4  0  2  0 エルガー
   19  1   0   0  0   1  0  2  0 メンデルスゾーン
   20  0   0   0  0   0  0  1  0 ワグナー
   21  0   0   0  0   2  0  1  1 ラフマニノフ
   22  0   0   3  0   0  0  3  0 シューベルト
   23  0   0   0  2   5  3  2  0 チャイコフスキー
   24  0   0   0 11   0  0  0  2 ペッテション
   25  0   0   0  3   0  0  0  0 ストラヴィンスキー
   26  0   0   0  1   1  2  0  7 ヴィエルヌ
   27  0   0   0  1   1  0  0  0 シュトラウス
   28  0   0   0  1   0  0  0  0 シェーンベルク
   29  0   0   0  1   0  0  0  0 ラヴェル
   30  0   0   0  0   0  0  0  1 マニャール
   31  0   0   1  0   0  0  0  0 グルック
   32  0   0   0  4   2  0  0  1 ホルスト
   33  0   0   0  0   2  0  1  2 ヤナーチェク

5.アーカイブファイルに含まれるファイルの説明
の中には以下のファイルが含まれます。

(1)入力データ
 cfreqA.csv:分析対象の和音(コード)の出現割合
 col_cfreqA.csv:対象作品の得点に関するbarplotにおける色指定
 class_cfreqA.csv:対象作品の作曲家別分類ファイル
 biclass_cfreqA.csv:対象作品をマーラーとそれ以外に分類
   hiclass_cfreqA.csv:対象作品をマーラーとその他の古典派・ロマン派・近現代の作品群に分類
  corresp_cfreqA.csv:生の頻度情報

(2)主成分分析系
 gg_prcomp-class2.pdf:主成分分析結果(第1,第2成分・マーラーとそれ以外を区別)のggbiplotグラフ
 gg_prcomp.pdf:主成分分析結果(第1,第2成分・時代別)のggbiplotグラフ
 gg_prcomp-PC56.pdf:主成分分析結果(第5,第6成分・時代別)のggbiplotグラフ
 prcomp.pdf:主成分分析結果のbiplotグラフ
 pr_score-[1-6].pdf:主成分得点のbarplotグラフ
 prcomp_PC[1-6].pdf:主成分負荷量のbarplotグラフ

(3)因子分析系
 (3-1)直交回転(varimax):因子数=6
  varicomp.pdf:因子分析結果のbiplotグラフ
  vari_score-[1-6].pdf:因子得点のbarplotグラフ
  vari_load-[1-6].pdf:因子負荷量のbarplotグラフ
 (3-2)斜交回転(promax):因子数=6
  procomp.pdf:因子分析結果のbiplotグラフ
  pro_score-[1-6].pdf:因子得点のbarplotグラフ
  pro_load-[1-6].pdf:因子負荷量のbarplotグラフ
 (3-3)相関行列の固有値
   eigen.pdf

(4)非階層クラスタ分析系:
 (5-1)ギャップ統計
  clusGap8.pdf
  clusGap9.pdf
 (5-2)クラスタリング結果
  kmeans8.pdf:8クラスタでの分類結果のプロット
  kmeans8.csv:8クラスタでの分類結果
      kmeans9.pdf:9クラスタでの分類結果のプロット
  kmeans9.csv:9クラスタでの分類結果
  
(6)分析履歴
  hist.txt:R言語を用いた分析履歴。各分析の数値的な結果を含む。

[ご利用にあたっての注意] 公開するデータは自由に利用頂いて構いません。あくまでも実験的な試みを公開するものであり、作成者は結果の正しさは保証しません。このデータを用いることによって発生する如何なるトラブルに対しても、作成者は責任を負いません。入力として利用させて頂いたMIDIファイルに起因する間違い、分析プログラムの不具合に起因する間違いなど、各種の間違いが含まれる可能性があることをご了承の上、ご利用ください。
(2021.7.7 マーラーの誕生日に公開、2021.7.21 分析に用いた特徴量の記載漏れを修正)

MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その4:全拍対象・比較対照作品追加・割合比較)

 これまでMIDIファイルを入力とした分析の一環として、和音(コード)の出現頻度に基づくマーラーの交響曲作品50ファイル(楽章単位)の他の作品71ファイルとの比較を試みた結果を「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品」(https://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/02/midi.html)として報告し、次いでその第2報として比較対象となる作品数を増やして、マーラーの作品50ファイルに対して、他の作曲家の作品200ファイルの合計250ファイルでの分析結果について「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その2:拡張版)」(https://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/02/midi2.html)として報告しました。更に2つの報告を補完する分析として、各和音毎の出現頻度の傾向を、マーラーの交響曲と比較対象となる作品群との間で比較した、「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品(その3:補遺 )」(http://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/03/midi3.html)を公開しました。

その後、集計プログラムの制約で、対象作品のMIDIデータの各ファイルに含まれる最初の1591拍分のみが分析対象となっていることが判明したため、そのことについて各ページで告知するとともに、ファイルに含まれる全ての拍を対象とした分析を今後実施予定の旨、告知しました。当初は公開済の3つの分析それぞれについて全拍を対象とした分析結果を改めて公開する方針で進めていましたが、実際に分析を進めると、大まかな傾向としては分析結果に著しい違いがあるわけではないことがわかってきたため、勿論、厳密な意味では、両者を比較対照できるような形で公開することには意味があるものの、ブログの記事として公開する情報としては稍々冗長との感じを持つようになりました、一方で、比較的手薄だったマーラーの同時代以降の作品のMIDIファイルが公開されており、利用可能であることがわかり、更に比較対照用のデータを増やした分析を行うことができるようになりました。

上記の経緯を踏まえ、この記事ではまず、以前は補遺として行った各和音毎の出現頻度の集計を全拍を対象に行い、頻度の傾向について、マーラーの全交響曲(50ファイル)、最初の報告における比較対象群(71ファイル)、追加報告における比較対照群(200ファイル)、そして今回更に追加された作品を含む比較対照群(250ファイル)の4グループを対象に集計し、割合の高い上位20種を抽出した結果を割合の高い順に並べたものを示します。なお、今回はコメントは原則として行わず結果だけを示すことにします。

1.対象としたデータ

使用したデータは以下の通りです。

「MIDIファイルを入力とした分析の準備作業:和音の分類とパターンの可視化」(https://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/01/midi2020128.html)で行った和音のラベリング(131種類)の結果について、各和音毎の出現頻度を以下の4つのグループ毎に算出

A.マーラーの交響曲(「大地の歌」、第10交響曲クック版を含む全11曲50ファイル)

B.最初の報告で比較対照に用いた作品(71ファイル)

  アイヴズ 答えのない質問
  シベリウス 交響曲第2番、7番、タピオラ
  ヴェーベルン パッサカリア
  ショスタコーヴィチ 交響曲第10番
  スクリャービン 交響曲第3番
  シュニトケ 交響曲第5番=合奏協奏曲第4番第1楽章
  ブラームス 交響曲第2番、3番、4番
  ブルックナー 交響曲第5番、7番、9番
  フランク 交響曲
  スメタナ わが祖国
  ハイドン 交響曲第104番
  モーツァルト 交響曲第38番、39番、40番、41番 
  シューマン 交響曲第3番

C.第2報で比較対照に用いた作品(200ファイル)

  アイヴズ 答えのない質問
  シベリウス 交響曲第2番、7番、タピオラ、5番3楽章、6番4楽章、3番2楽章
  ブラームス 交響曲第1番、2番、3番、4番
  ブルックナー 交響曲第1番、4番、5番、7番、8番、9番
  ショスタコーヴィチ 交響曲第10番
  モーツァルト 交響曲第38番、39番、40番、41番 
  シューマン 交響曲第1番、3番
  スクリャービン 交響曲第3番
  スメタナ わが祖国
  フランク 交響曲
  ハイドン 交響曲第83、88、92、96、99~104番
  シュニトケ 交響曲第5番=合奏協奏曲第4番第1楽章
  ヴェーベルン パッサカリア
  バルトーク 管弦楽のための協奏曲
  ベートーヴェン 交響曲第3、4、5、6、7番
  ベルリオーズ 幻想交響曲
  ドヴォルザーク 交響曲第8、9番
  エルガー 交響曲第1、2番
  メンデルスゾーン 交響曲第3番
  ワーグナー パルジファル前奏曲
  ラフマニノフ 交響曲第2番
  シューベルト 交響曲第8、9番
  チャイコフスキー 交響曲第4、5、6番

D.今回追加したものを含む比較対象用作品すべて(250ファイル)

  アイヴズ 答えのない質問
  シベリウス 交響曲第2番、7番、タピオラ、5番3楽章、6番4楽章、3番2楽章
  ブラームス 交響曲第1番、2番、3番、4番
  ブルックナー 交響曲第1番、4番、5番、7番、8番、9番
  ショスタコーヴィチ 交響曲第10番、1番第2楽章、7番第2楽章、9番第1,3,5楽章
  モーツァルト 交響曲第38番、39番、40番、41番 
  シューマン 交響曲第1番、3番
  スクリャービン 交響曲第3番
  スメタナ わが祖国
  フランク 交響曲
  ハイドン 交響曲第83、88、92、96、99~104番
  シュニトケ 交響曲第5番=合奏協奏曲第4番第1楽章
  ヴェーベルン パッサカリア
  バルトーク 管弦楽のための協奏曲
  ベートーヴェン 交響曲第3、4、5、6、7番
  ベルリオーズ 幻想交響曲
  ドヴォルザーク 交響曲第8、9番
  エルガー 交響曲第1、2番
  メンデルスゾーン 交響曲第3番
  ワーグナー パルジファル前奏曲
  ラフマニノフ 交響曲第2番
  シューベルト 交響曲第8、9番
  チャイコフスキー 交響曲第4、5、6番
  ペッテション 交響曲第6~16番、交響的断章、ヴァイオリン協奏曲第2番
  ストラヴィンスキー 詩篇交響曲
  ヴィエルヌ オルガン交響曲第1,2番
  シュトラウス アルプス交響曲、死と変容
  シェーンベルク 浄夜
  ラヴェル ダフニスとクロエ第2組曲
  マニャール ベレニス序曲
  グルック アウリスのイフゲニア序曲
  ホルスト 惑星
  ヤナーチェク シンフォニエッタ

2.集計結果

上記3つのそれぞれについて出現割合の降順に並べて上位20種類を抽出し、グラフ化したものを以下に示します。グラフの縦軸が出現割合、横軸が和音の種別になります。和音の種別の番号は「MIDIファイルを入力とした分析の準備作業:和音の分類とパターンの可視化」で用いたものと同じですが、「MIDIファイルを入力とした分析:和音の出現頻度から見たマーラー作品」で分析対象としたものを含めて、「MIDIファイルを入力とした分析の準備:調性推定と和音のラべリング」(https://gustav-mahler-yojibee.blogspot.com/2020/01/midi2020128.html)でラベリング対象にした和音について示せば以下の通りです。

    3 :五度 5 :長二度 9 :短三度 17 :長三度 33 :短二度 65 :増四度
  25 :短三和音 19 :長三和音 77 :属七和音 93 :属九和音
  27 :付加六 69 :イタリアの増六 73 :減三和音 273 :増三和音
  51 :長七和音 153 :トリスタン和音 325 :フランスの増六 
  585 :減三+減七 89 :減三+短七 275 :増三+長七 281 :短三+長七


A.マーラーの交響曲(50ファイル、total=84657)


B.比較対象1(71ファイル、total=99227)


C.比較対象2(200ファイル、total=285775)


D.比較対象3(250ファイル、total=438858)


[ご利用にあたっての注意] 公開するデータは自由に利用頂いて構いません。あくまでも実験的な試みを公開するものであり、作成者は結果の正しさは保証しません。このデータを用いることによって発生する如何なるトラブルに対しても、作成者は責任を負いません。入力として利用させて頂いたMIDIファイルに起因する間違い、分析プログラムの不具合に起因する間違いなど、各種の間違いが含まれる可能性があることをご了承の上、ご利用ください。(2021.7.7 マーラーの誕生日に公開)




2021年5月9日日曜日

第3交響曲が私に語ること(2021.5.9 マーラー祝祭オーケストラ第18回定期演奏会によせて:初期稿)

第3交響曲はマーラーの音楽の特徴が様々な側面で最も顕著に表れた作品であるといって良いだろう。この作品に限れば後付けの説明ではなく、複雑な変遷を経て1902年のクレーフェルトでの初演のプログラムにその最終形が掲載された標題のみならず、マーラー自身の書簡、ナターリエ・バウアー=レヒナーやブルノ・ワルターの回想等に残された証言も豊富であるが故に、この作品は、マーラーの作品を巡ってしばしば生じる、音楽の実質から遊離した言説の最大の被害者であると同時に、音響外の要素を一切捨象して最終的な音響態のみを自律的、自足的なものとして取り出そうとする姿勢の抽象性を暴き立てるという点で最も雄弁な証言者でもあろう。更にマーラーの交響曲の形式的な面での伝統的な交響曲形式からの逸脱の具体的な様相として思い浮かぶ、作品の長大化、楽章数の拡大、「部」(Teil)という階層の導入、楽章間の長さのコントラストの拡大、管弦楽編成の拡大、特殊楽器の使用や声楽の導入、そして空間的な次元の導入(舞台裏や「高いところから」といった指示)といった特徴の悉くが当て嵌まるこの作品は、それが生まれた時代にほぼ今日の姿になった巨大なコンサートホールでの演奏会という制度の中で、その可能性を極限まで追求した試みという見方もできるだろう。2部6楽章からなる重層的な全体構想における楽章間の調的な配置、そして各楽章の構造、中でも巨大で複雑な第1楽章の構造については、規範からの逸脱という見方ではその独創性を汲み尽くし難く、安易な分析を受け付けない。

調的な構想について見ると、「夏の朝の夢」という標題とともにヘ長調という調性を記された草稿が遺されているかと思えば、ニ短調としているオスカー・フリート宛書簡もあり、全体の調性がニ短調かヘ長調に関して諸家の意見は分かれるようだ。実際、第1楽章はニ短調で始まりヘ長調で終わり、イ長調の第2楽章の後、第3楽章はハ短調だがポストホルンの長大なエピソードはヘ長調、続く第4楽章はニ長調、第5楽章はニ短調のエピソードを持つヘ長調であり、第6楽章に至ってニ長調となるのであり、ヘ長調とニ長調の葛藤・対立があって、フィナーレではニ長調が主調として確証されるという構想が読み取れる。そこから逆算するように第1楽章は提示部末尾で一旦ニ長調に到達しながら、末尾のみならず楽章全体としてもヘ長調が優位であり、最初にトニックとして確立されたかに見える調性が実はドミナントであったというサブドミナント方向への三度関係の動力学が読み取れよう。

作品の成立過程については、構想上の紆余曲折を経て、フィナーレとして、アドルノの言う「充足」カテゴリのアダージョを持ってくることにより、いわゆる「フィナーレ問題」に回答を与える見通しがついた地点に至って、それまでに書かれていた楽章すべてを第2部とし、第1部として、それと釣り合う破格の規模を持ち、当初は2つの別々の部分として構想された序奏とソナタ楽章本体を一つに融合した第1楽章を持ってくるという構想が定まったと考えることができるようだ。そして「フィナーレ問題」の解決とともに、当初の構想の要石であった歌曲「天上の生活」がはみだしてしまい、そちらは第4交響曲として別に作品化されることになる。マーラー自身が弄り回した挙句、昇ったら不要になった梯子のように 最後には放棄してしまったとはいえ、様々なバージョンが遺されている標題の変遷過程は、完成した狭義での第3交響曲についてのそれではなく、こうした動的で流動的な創作過程の軌道の痕跡であり、最終的な2部6楽章の形態を、結果として第4交響曲のフィナーレに収まった歌曲をフィナーレとする構想のような幾つかの疑似的なアトラクタを経て辿り着いた不動点と捉えることを要求しているようだ。

第1楽章はその調的プロセスから、序奏が埋め込まれ、行進曲を主部とするソナタと捉えることができるが、それは、やはり第1部としてこちらは強い素材連関を持つ独立の2つの楽章を擁する第5交響曲、序奏が埋め込まれ、行進曲を主部とするソナタという構想をフィナーレに適用した第6交響曲を経て、序奏が回帰しつつ2つの対比的な主要主題が変形を繰り返す側面がソナタ形式を内側から圧倒してしまう第7交響曲の第1楽章を通って、第10交響曲のあの無比の構造を持つアダージョに至るマーラーの絶えざる試行の最初の一里塚ともいうべき成果であり、創作の巨大な過程の一部として捉えることができるであろう。

更に書簡や回想等に遺された言葉から窺えるのは、マーラーが音楽によって「ひとつの世界を構築」しようとしたことと同時に、何物かに命じられて書きとらされるかのような姿勢をもっていたことである。ここで注意すべきはベクトルの向きで、 稚拙な標題にしてからが「~が私に語ること」であり、作曲する「私」が聴き手の立場になっていることである。 マーラーの音楽を単純に主観的な独白と見做すのは、それを世界観なり思想なりの表明と見做すのと同様、実質を損なう捉え方で、作曲する主体と作品との関係についてロマン主義的な単純化した見方をしている点では共犯関係にある。際立って意識的な人間だったマーラーは、そうした点に自覚的だったようだし、作品が常に 自分をはみ出していくことについても充分に意識的であったようだ。であってみれば、大言壮語の類として片付けられがちな「君はもう何も見る必要はないのだ。僕が音楽に皆、使い尽くし、又、描き尽くしてしまったのだから」というワルターに向けた言葉についても、そこに自然に対する芸術の優位を主張する芸術至上主義的な傲慢さよりも、音楽作品の在り方の不思議さこそを見るべきなのではないか。作曲はマーラーにとって「神の衣を織ること」であったが、だとしたら音楽作品は「神の衣」であり、「ひとつの世界」は閉じた自足的な全体ではなく多世界の中の「ひとつ」であり、複数の可能世界の中の一つのバージョンと考えるべきだろう。

マーラーの作品群はしばしば連作として捉えられるが、第3交響曲は、それ自身には含まれない集積点の如きものとして、自らの外部に第4交響曲のフィナーレである歌曲「天上の生活」を持っている。独立した作品でありながら単純な作品の内側と外側という図式に収まらない内部構造を持ち、かつそれが作品の外部にも繋がっているというクラインの壺のようなトポロジーによって、「作品」を箱庭の如きものとして外部から眺めるのではなく、「世界」に対してそうであるように「作品」の中に棲み、内側から眺めることを求めているかのようだ。第3交響曲のような多元的・重層的な作品はそれ自体多重の時間の流れを含み持っているが、聴く「私」もまた別の時間の流れの一つであり、聴取によって複数の層の間の干渉・同調・引き込みが起きる。「作品」は仮想現実であり、「世界」のシミュレータなのである。聴取の行為は「世界」の経験のシミュレーションに他ならず、そうすることにより我々もまた、マーラーがそうしたように「世界=作品」の「語ること」に耳を傾けるのである。そしてそれは、マーラーがそう意図したように、世界の構築に、「神の衣を織る」ことに通じるのである。演奏者も聴き手も、交響曲という「世界」の多元性を、事後的な結果としてではなく、まさに今・ここで生じている「出来事」として経験すべきなのだ。作品は、それが生み出された時代の文脈から逃れられないけれど、時代を通じて継承されることにより存続する。そのためには新たな聴き方を可能にする新たな文脈を聴き手が用意する必要があるのではなかろうか?

だとしたら、今、第3交響曲が我々に語ることは何だろうか?

それを考える上で、マックス・テグマークが汎用人工知能について語るフレームとして提示したLife3.0を取り上げてみよう。するとマーラーの時代は、まずもってLife1.0に関する今日的な認識の基本が形成された時代であることに気づく。例えば伝染病の流行が珍しいことではなかったことはマーラーの伝記を紐解けばすぐにわかることだ。コッホによるコレラ菌の発見は1884年であり、今日当然のこととされる、細菌が伝染病の原因であるという認識すらまだその確立の途上にあった。その一方でLife2.0は生物学的な「ヒト」ではなく、ジュリアン・ジェインズのいう「二分心」の崩壊以降、レイ・カーツワイルの言う「シンギュラリティ」以前のエポックの存在様態を指していると解釈するならば、それは「ニーチェ」が「神の死」という形で言い当てた「隠れたる神」の時代に生きる存在ということになろう。

勿論そのことがマーラーの創作に直接影を落としているわけではないが、第3交響曲のフィナーレが「私の傷を見てください」というモットーを持つことを思えば関連は明らかだし、のちに長女を亡くす原因やマーラー本人の死因にしても今日ならペニシリンで治療可能であることも含め、一世紀経って進歩はしたとはいえ、今まさに新型コロナウィルスの猛威に晒されていることを思えば、相変わらず状況には変わりなく、二分心以降・シンギュラリティ以前という同時代にマーラーも我々も生きていることを再認させられずにはいられない。

してみれば第3交響曲はLife1.0の誕生からLife2.0の先までの展望―そこではLife3.0は、Life2.0の人間に続くものとして天使や神として形象化され、子供や超人もまた含まれている―を示したものであり、今ならLife2.0が産み出したシミュレーション・ソフトウェアの設計図と見做すことができるだろう。それを思えば、マーラーの作品の中でも優れて第3交響曲は、自分の生きる世界にどう向き合うか、どのように認識し、感じ、行動し、変わっていくのかについて示唆を与えてくれる存在ではなかろうか。

新型コロナウィルス禍において、ウィルスというLife1.0の手前にある存在が、Life3.0への越境へと向かいつつあるLife2.0たる人間の持つ基本的な性向である社会性、模倣し共感し協力する性向に襲いかかり、集い、役割分担することで新たな「現実」を生み出し、今・ここで生じている「出来事」として共有することを妨げ、未来を目がけて構築したもう一つの現実としての「作品」の上演と継承を困難にしてしまった。とりわけてもこの第3交響曲の上演には、巨大なコンサートホールの舞台に溢れんばかりの大編成の管弦楽に加え、独唱と児童合唱、女声合唱が必要であり、更にまた客席を満たす聴き手が必要であることを思えば、公演の度重なる延期は、まさに我々が置かれた状況を最も雄弁に証言するものであり、無作為ではなく、存続に向けての抵抗の一つのかたちであろう。であればこそ、今、ここで第3交響曲が上演されることの意義は大きい。第3交響曲は、このような状況の下で聴き手の一人ひとりがそれぞれ「~が私に語ること」に耳を傾け、自分が受け止めたものを語り、行動することへと私たちを誘っているように私には思われるのである。(2021.3.17)

[後記]上掲の文章は 2021年5月9日のマーラー祝祭オーケストラ第18回定期演奏会のプログラムに寄稿させて頂いた文章の初期稿です。諸般の事情により公演に立ち会うことが叶わず大変に残念でしたが、そのことのお詫びとともに、初期稿の掲載を以て、書き記すことができなかった演奏会の記録のせめてもの替わりとし、今回の公演が目下の困難な状況の下で実施されたことに対する敬意の表明とさせて頂きたく思います。(2021.5.9)

マーラー祝祭オーケストラ(音楽監督・井上喜惟)第18回定期演奏会(2021年5月9日)

 



2020年9月14日月曜日

Google Street Viewによるヴァーチャル・ツアー(12):グリンツィンク墓地にあるマーラーの墓

 以前はStreet Viewが使えなかったオーストリアでも、現在は使えるようになったようなので、以前はGoogle mapの航空写真で紹介していた場所のうち、Street Viewでアクセスできるようになった場所については、改めて紹介することにしました。例えばアッター湖畔の作曲小屋は、湖畔を通る幹線道路から小屋の近くまでの道が規制されているため、依然としてStreet Viewでは見れないようです。一方でグリンツィンク墓地にあるマーラーの墓は、墓地の中にも関わらず、以下のようにStreet Viewで見ることができます。(2020年9月14日)

グリンツィンク墓地にあるマーラーの墓

Google Street Viewによるヴァーチャル・ツアー(11):マーラーが生涯を終えたレーヴのサナトリウム

以前はStreet Viewが使えなかったオーストリアでも、現在は使えるようになったようなので、以前はGoogle mapの航空写真で紹介していた場所のうち、Street Viewでアクセスできるようになった場所については、改めて紹介することにしました。例えばアッター湖畔の作曲小屋は、湖畔を通る幹線道路から小屋の近くまでの道が規制されているため、依然としてStreet Viewでは見れないようです。(2020年9月14日)

マーラーが生涯を終えたレーヴのサナトリウム(マリアンネガッセ20番地:プレートが嵌め込まれている)