- 第1交響曲, ワルター, NBC交響楽団, 1939.4.7 (Live), (12:00, 6:11, 11:21, 17:54), ニューヨーク, MONO, Classica d'Oro
- 第1交響曲, ワルター, アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団, 1947.10.16(Live), (13:06, 6:36, 11:34, 20:02), アムステルダム、コンセルトヘボウ, MONO, Tahra
- 第1交響曲, ワルター, ニューヨーク・フィルハーモニック, 1950.2.12(Live), (12:18, 6:15, 11:30, 18:52), ニューヨーク、カーネギーホール, MONO, Nihon Bruno Walter Society BWS1066
- 第1交響曲, ワルター, ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団, 1954.1.25, (12:20, 6:16, 11:13, 18:12), ニューヨーク、カーネギー・ホール, MONO, CBS-Sony
- 第1交響曲, ワルター, バイエルン国立管弦楽団, 1950.10.2(Live), (11:57, 6:12, 11:15, 18:08), ミュンヘン、ドイツ博物館会議ホール, MONO, Orfeo
- 第1交響曲, ワルター, コロンビア交響楽団, 1961.1.14/21, 2.4/6, (13:20, 8:50, 11:24, 20:25), ハリウッド、アメリカン・リージョン・ホール, STEREO, CBS-Sony
- 第1交響曲,ミトロプーロス, ミネアポリス交響楽団, 1940.11.4, (13:28, 6:12, 10:34, 17:34), ミネアポリス, MONO, Columbia / Membran
- 第1交響曲,ミトロプーロス, ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団, 1951.10.21, (14:19, 6:23, 11:11, 19:34), ニューヨーク、カーネギー・ホール, MONO, IDIS
- 第1交響曲,ミトロプーロス, ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団, 1960.1.9, (14:17, 6:27, 10:42, 19:57), ニューヨーク、カーネギー・ホール, MONO, Memories reverence
- 第1交響曲, ボルサムスキー, ベルリン放送管弦楽団, 1949.5, (13:42, 7:12, 9:41, 19:15), ベルリン, MONO, URANIA
- 第1交響曲,アドラー,ウィーン交響楽団 , 1952.3.6, (17:36, 7:42, 12:00, 21:51), ウィーン , MONO, TAHRA
- 第1交響曲, ボールト, ロンドン交響楽団, 1958.8.10-13, (46:40), ロンドン、ウォムサムストウ・タウン・ホール, MONO, EVEREST
- 第1交響曲,スタインバーグ, ピッツバーグ交響楽団, 1953.2.10, (12:51, 7:50, 10:31, 17:31), ピッツバーグ、シリア・モスク, MONO, EMI
- 第1交響曲(カットあり),クレツキ, イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 , 1954.4.27/5.25, (13:16, 8:08, 10:42, 17:24), テル・アヴィヴ, MONO, EMI
- 第1交響曲(カットあり),クレツキ, アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団, 1959.9.13(Live), (53:58), モントルー、MONO, Radio suisse romande
- 第1交響曲(カットあり),クレツキ, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 , 1961.11.10-13, (13:24, 8:19, 10:43, 17:32), ウィーン, ムジークフェラインザール, STEREO, EMI
- 第1交響曲,ラインスドルフ,ボストン交響楽団 , 1962.10.20,21, (15:11, 7:51, 11:29, 18:21),ボストン,STEREO, RCA
- 第1交響曲,ラインスドルフ,ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 , 1971.4.19-20, (13:28, 8:34, 11:40, 19:42), ロンドン、キングズウェイ・ホール,STEREO,Decca
- 第1交響曲, ホーレンシュタイン, ウィーン交響楽団, 1952, (16:48, 8:14, 11:41, 20:50), ウィーン, MONO, Vox/Tuxedo
- 第1交響曲, ホーレンシュタイン, ロンドン交響楽団, 1969.9.29-30, (16:33, 7:51, 9:57, 22:14), ロンドン、バーキング・アセンブリー・ホール, STEREO, Unicorn-Kanchana
- 第1交響曲, シェルヒェン, ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団, 1954.3, (15:06, 6:07, 10:53, 17:39), ロンドン、ウォムサムストウ・タウン・ホール, MONO, Westminster/MCA
- 第1交響曲, ファン・ケンペン, トリノRAI管弦楽団, 1955.5.20(Live), (13:57, 8:33, 12:25, 19:47), トリノ, MONO, TAHRA
- 第1交響曲, ロスバウト, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 1955.10(Live), (11:53, 7:05, 9:14, 16:52), ベルリン、高等音楽院ホール, MONO, Memories Reverence
- 第1交響曲, ロスバウト, 南西ドイツ放送交響楽団, 1961.9.11-16, (14:19, 8:12, 10:44, 19:31), バーデン・バーデン、スタジオV, MONO, SWR Classics
- 第1交響曲, カイルベルト, ドレスデン国立歌劇場管弦楽団, 1950.2.4(Live), (13:21, 7:46, 10:38, 18:36), ドレスデン、MONO, Memories Reverence
- 第1交響曲, エフレム・クルツ, トリノ・イタリア放送交響楽団, 1961.2.10, (54:51), トリノ, MONO,
- 第1交響曲, カレル・アンチェル, チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, 1964.12, (13:30, 7:41, 9:59, 19:27), プラハ、芸術家の家, MONO, Supraphon
- 第1交響曲, ファン・オッテルロー, ウィーン祝祭管弦楽団, 1963, (12:15, 7:00, 9:45, 18:04), , MONO, Concert Hall
- 第1交響曲(第4楽章カットあり), マルケヴィッチ, フランス国立公共放送管弦楽団, 1967.6.21(Live), (12:46, 6:42, 9:15, 16:53), パリ、シャンゼリゼ劇場, Disque Montaigne
- 第1交響曲, マルケヴィッチ, ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団, 1982.3.5(Live), (14:07, 6:44, 10:06, 18:46), ライブチヒ、ゲヴァントハウス, STEREO, Tahra
- 第1交響曲, シュミット=イッセルシュテット, 北ドイツ放送交響楽団, 1969.1.6(Live), (14:44, 9:22, 10:06, 18:58), ハンブルク、ムジークハレ, MONO, Arlecchino
- 第1交響曲, マルティノン, 日本フィルハーモニー管弦楽団, 1970.11.24(Live), (13:10, 7:27, 9:48, 18:32), 東京、日比谷公会堂, DVD, Exton
- 第1交響曲, ケンペ, BBC交響楽団, 1965.5.22(Live), (13:23, 7:33, 10:40, 20:00), ロンドン、BBCスタジオ, MONO, BBC legends
- 第1交響曲, クリップス, バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団, 1957.11.11(Live), (54:04), バッファロー、クレインハンス・ホール, MONO,
- 第1交響曲(「花の章」つき), オーマンディ, フィラデルフィア管弦楽団, 1969.5.21, (12:45, 6:29, 7:06, 10:29, 17:55), フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック, STEREO, RCA
- 第1交響曲(「花の章」つき), モリス, ニュー・フィルハーモニア管弦楽団, 1970.9.3-14, (13:12, 8:35, 5:52, 11:00, 19:42), ロンドン、ワトフォードタウンホール, MONO, PYE
- 第1交響曲, バルビローリ, ハレ管弦楽団, 1957.6.11/12, (13:27, 8:14, 10:28, 19:15), マンチェスター、自由貿易ホール, STEREO, バルビローリ協会 / Dutton
- 第1交響曲, バルビローリ, ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団, 1959.1.10(Live), (14:06, 8:47, 11:03, 18:57), ニューヨーク、カーネギー・ホール, MONO, New York Philharmonic
- 第1交響曲, バルビローリ, チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, 1960.5.24 (Live), (13:38, 8:54, 10:26, 18:50), プラハ、スメタナホール, MONO, Barbirolli Society
- 第1交響曲, アブラヴァネル, ユタ交響楽団, 1974.5, (12:54, 7:04, 9:53, 18:59), ソルト・レイク・シティー、モルモン・タバナクル公会堂, STEREO, Vanguard / Musical Concepts
- 第1交響曲, バーンスタイン, ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団, 1966.10.4/22, (15:10, 8:18, 10:19, 18:57), ニューヨーク、リンカーン・センター、フィルハーモニー管弦楽団・ホール, STEREO, CBS-Sony
- 第1交響曲, バーンスタイン, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, 1974.10.8-9, (15:33, 8:48, 10:26, 19:42), ウィーン、コンツェルトハウス, STEREO, Deutsche Grammophon/Unitel
- 第1交響曲, バーンスタイン, アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団, 1987.10.8-10, (16:30, 9:01, 10:27, 20:12), アムステルダム、コンセルトヘボウ, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, クーベリック, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, 1954.6.27, (12:46, 7:11, 10:39, 18:59), ウィーン, MONO, Decca
- 第1交響曲, クーベリック, バイエルン放送交響楽団, 1967.10.20-23, (14:31, 6:56, 10:37, 17:40), ミュンヘン、ヘルクレス・ザール, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, クーベリック, バイエルン放送交響楽団, 1979.11.2(Live), (13:12, 7:03, 11:37, 19:18), ミュンヘン、ヘルクレス・ザール, STEREO, audite
- 第1交響曲, ハイティンク, アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団, 1962.9, (13:23, 7:45, 10:51, 20:04), アムステルダム、コンセルトヘボウ, STEREO, Philips
- 第1交響曲, ハイティンク, アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団, 1977.12.25(Live), (15:44, 7:50, 11:03, 19:09), アムステルダム、コンセルトヘボウ, STEREO, Philips
- 第1交響曲, ハイティンク, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 1987.4.1-2, (16:33, 7:45, 11:18, 21:12), ベルリン、フィルハーモニー, STEREO, Philips
- 第1交響曲, ノイマン, チェコ・フィルハーモニー管弦楽団, 1979.10.3-8, (12:56, 8:23, 10:37, 18:48), プラハ、ルドルフィヌム, STEREO, Supraphon
- 第1交響曲, タバコフ, ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団, 1989.3, (15:30, 8:01, 10:54, 21:16), ソフィア、コンサート・ホール, STEREO, Capriccio
- 第1交響曲, ショルティ, ケルン放送交響楽団, 1957.6.17(Live), (12:58, 7:16, 10:11, 17:16), ケルン,、ケルン放送大ホール, MONO, ARCHIPEL
- 第1交響曲, ショルティ, ロンドン交響楽団, 1964.1.17-18/2.3&5, (15:40, 7:01, 11:00, 20:20), ロンドン、キングズウェイ・ホール, STEREO, DECCA
- 第1交響曲, ショルティ, シカゴ交響楽団, 1983.10.11, (15:50, 7:46, 11:40, 21:00), シカゴ、オーケストラ・ホール, STEREO, Decca
- 第1交響曲 メータ, イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団, 1974.12, (14:42, 7:14, 10:57, 18:22), エルサレム、ビニヤネイ・ハ・オウマ, STEREO, Decca
- 第1交響曲(「花の章」つき), メータ, イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団, 1986.7.21-24, (15:49, 7:20, 7:47, 11:18, 20:26), エルサレム、STEREO, EMI
- 第1交響曲, メータ, ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団, 1980.11.10/25, (13:14, 7:35, 11:25, 19:45), ニューヨーク、エイヴリ・フィッシャー・ホール, STEREO, CBS-Sony
- 第1交響曲, レヴァイン, ロンドン交響楽団, 1974.8.24-25, (16:43, 7:41, 11:25, 19:27), ロンドン、ウォルサムストウ・タウンホール, STEREO, RCA
- 第1交響曲, テンシュテット, ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団, 1977.10.4-5, (15:58, 7:51, 10:47, 19:17), ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ, STEREO, EMI
- 第1交響曲, ジュリーニ, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 1976.2.29/3.1(Live), (15:57, 8:11, 11:41, 23:11), ベルリン、フィルハーモニーザール, STEREO, Testament
- 第1交響曲, ジュリーニ, シカゴ交響楽団, 1971.3.30, (16:42, 7:55, 11:23, 20:44), シカゴ、メディナ・テンプル, STEREO, EMI
- 第1交響曲, コンドラシン, モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団, 1969, (12:30, 7:55, 9:49, 17:51), モスクワ, STEREO, Melodiya
- 第1交響曲, コンドラシン, 北ドイツ放送交響楽団, 1981.3.7(Live), (12:44, 8:10, 9:38, 17:47), アムステルダム、コンセルトへボウ, STEREO, EMI
- 第1交響曲, スイトナー, ドレスデン国立歌劇場管弦楽団, 1962.5.22-24, (13:25, 8:04, 10:28, 19:00), ドレスデン、ルカ教会, STEREO, Berlin Classica
- 第1交響曲, ケーゲル, ライプチヒ放送交響楽団, 1978.5.9(Live), (15:24, 8:05, 11:03, 18:50), ライプチヒ、会議ホール, STEREO, Weitblick
- 第1交響曲, ケーゲル, ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団, 1979.11.5-8, (15:06, 8:41, 11:47, 20:08), ドレスデン、ルカ教会, STEREO, Deutsche Schallplatten
- 第1交響曲, ケーゲル, ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団, 1981.2.25(Live), (14:42, 8:13, 10:38, 18:54), ドレスデン、文化宮殿祝祭ホール, STEREO, Weitblick
- 第1交響曲, アバド, シカゴ交響楽団, 1981.2.21/23, (16:21, :10, 10:53, 19:45), シカゴ、オーケストラ・ホール, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, アバド, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, 1989.12, (16:13, 7:23, 10:32, 20:35), ベルリン、フィルハーモニー, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, アールパード・ヨー, アムステルダム・フィルハーモニー管弦楽団, 1983.7, (15:20, 7:49, 10:19, 20:34), アムステルダム、コンセルトヘボウ, STEREO, ARTS
- 第1交響曲, ムーティ, フィラデルフィア管弦楽団, 1984.2.18/23, (18:29, 7:19, 11:45, 20:42), フィラデルフィア、メモリアルホール, STEREO, EMI
- 第1交響曲, インバル, フランクフルト放送交響楽団, 1985.2.28/3.1, (16:02, 8:04, 10:40, 19:53), フランクフルト、アルテ・オーパー, STEREO, Denon
- 第1交響曲, マゼール, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, 1985.10, (3:48/12:48, 4:17/3:13/1:26, 5:42/2:19/3:39, 20:35), ウィーン、楽友協会ホール, STEREO, Sony
- 第1交響曲, マゼール, フィルハーモニア管弦楽団, 2011.4.12(Live), (16:26, 8:27, 11:19, 20:44), ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール, STEREO, Sigum
- 第1交響曲, 小澤, ボストン交響楽団, 1977.10.3-17, (15:48, 5:53, 7:31, 11:11, 19:53), ボストン、シンフォニー・ホール, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, 小澤, ボストン交響楽団, 1987.10.3-6, (15:54, 7:25, 10:34, 20:01), ボストン、シンフォニー・ホール, STEREO, Philips/Decca
- 第1交響曲, シノーポリ, フィルハーモニア管弦楽団, 1989.2, (16:30, 8:10, 11:57, 20:31), ロンドン、オール・セインツ・チャーチ, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, ドホナーニ, クリーヴランド管弦楽団, 1989.3.19, (16:21, 6:51, 10:53, 20:32), クリーヴランド、メイソニック・オーディオトリウム, STEREO,Decca
- 第1交響曲, ベルティーニ, ケルン放送交響楽団, 1991.11.21/23, (15:46, 7:24, 10:46, 20:36), 東京、サントリー・ホール, STEREO, EMI
- 第1交響曲, ラトル, バーミンガム市交響楽団, 1991.12.16-19, (16:23, 8:13, 11:28, 21:31), バーミンガム、シンフォニー・ホール, STEREO, EMI
- 第1交響曲, スヴェトラーノフ, ロシア国立交響楽団, 1992, (16:22, 8:26, 12:50, 19:17), モスクワ、チャイコフスキー音楽院大ホール, STEREO, Warner
- 第1交響曲, シャイー, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, 1995.5.19/20, (16:35, 8:30, 11:02, 21:01), アムステルダム、コンセルトヘボウ, STEREO, Decca
- 第1交響曲, ティルソン=トーマス, サンフランシスコ交響楽団, 2001.9.19-23(Live), (16:08, 7:41, 11:30, 20:53), サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホール, STEREO, SFSMEDIA
- 第1交響曲, ブーレーズ, シカゴ交響楽団, 1998.5, (16:00, 6:48, 10:39, 19:20), シカゴ、オーケストラホール, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲, ギーレン, 南西ドイツ放送交響楽団, 2002.6.11-13, (15:36, 7:00, 9:49, 19:43), フライブルク、コンツェルトハウス, STEREO, hänssler
- 第1交響曲, ヤンソンス, オスロ・フィルハーモニー管弦楽団, 1999.10.27-28(Live), (15:42, 8:12, 10:28, 19:46), オスロ、コンサート・ホール, STEREO,SIMAX
- 第1交響曲, ヤンソンス, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, 2006.8.28/11.17(Live), (15:55, 7:59, 10:41, 19:59), アムステルダム、コンセルトヘボウ, STEREO,RCO Live
- 第1交響曲, ヤンソンス, バイエルン放送交響楽団, 2007.3.1/2(Live), (15:32, 8:14, 10:11, 19:49), ミュンヘン、ヘルクレスザール, STEREO,BR Klassik
- 第1交響曲, ジンマン , チューリヒ・トーンハレ管弦楽団, 2006.2,27,28, (15:32, 7:40, 10:55, 20:55), チューリヒ、トーンハレ, STEREO, RCA
- 第1交響曲, ゲルギエフ, ロンドン交響楽団, 2008.1.13(Live), (14:40, 8:14, 10:33, 19:16), ロンドン、バービカン, STEREO, LSO Live
- 第1交響曲, 井上喜惟, ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ, 2007.6.10(Live), (16:03, 8:19, 11:16, 20:14), 川崎、ミューザ川崎シンフォニーホール, STEREO, Tomei Electronics
- 第1交響曲, シュテンツ, ケルン・ギュルツニッヒ管弦楽団, 2011.7.3-5, (16:04, 7:10, 9:51, 19:47), ケルン、ケルン・フィルハーモニー, STEREO, OEHMS Classics
- 第1交響曲, シモノフ, ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団, 1994.6, (16:48, 8:36, 11:43, 19:43), ロンドン、C.T.S.スタジオ, STEREO, Tring International / Brilliant Classics
- 第1交響曲, アバド, ルツェルン祝祭管弦楽団, 2009.8.11-15(Live), (16:38, 7:32, 11:29, 22:09), ルツェルン、文化・会議センターコンサートホール, STEREO, EuroArts
- 第1交響曲(花の章つき), ノーリントン, 南西ドイツ放送シュトゥットガルト放送交響楽団, 2004.9.30/10.1(Live), (15:04, 7:01, 7:36, 9:39, 19:30), シュトゥットガルト、リーダーハレ, STEREO, hänssler
- 第1交響曲, ノット, バンベルク交響楽団, 2005.12.19-21/2006.1.2(Live), (16:26, 8:11, 10:53, 19:53), バンベルク、コンツェルトハレ、ヨーゼフ・カイルベルト・ザール, STEREO, TUDOR
- 第1交響曲, バーバラ・シューベルト, デュ・ページ交響楽団, 2012.5.12(Live), (15:55, 7:21, 10:24, 18:31), ウィートン, STEREO, archive.org
- 交響詩「巨人」(ハンブルク稿), 若杉弘, 東京都交響楽団, 1989.10.20(Live), (13:40, 6:29, 6:56, 11:04, 19:52), 東京、サントリーホール, STEREO, fontec
- 交響詩「巨人」(ハンブルク稿), オレ・クリスティアン・ルード, ノルシェーピング交響楽団, 1997.11.24/28, (15:03, 7:03, 7:42, 11:00, 21:37), ノルシェーピング、De Geer Concert Hall, STEREO, SIMAX
- 交響詩「巨人」(ヴァイマル稿), ジョルト・ハマル, パンノン・フィルハーモニー管弦楽団, 2004.9.13/16, (14:33, 6:34, 7:12, 10:13, 19:54), ペーチ、ミュージック・パーク, STEREO, Hungaroton
- 交響詩「巨人」(ハンブルク・ヴァイマル稿),フランソワ=グザヴィエ・ロト, レ・シエクル, 2018.5/10, (14:38, 5:41, 6:42, 10:38, 19:20), パリ、フィルハーモニー, STEREO, Harmonia Mundi
- 交響詩「巨人」(ハンブルク稿),ヤン・ウィレム・デ・フリーント, オランダ交響楽団, 2009.5.27-29, (13:45, 6:27, 6:56, 10:91, 19:15), エンスヘデ、音楽センター, STEREO, Challenge Classics
- 「花の章」, ジンマン , チューリヒ・トーンハレ管弦楽団, 2006.2,27,28, (6:41), チューリヒ、トーンハレ, STEREO, RCA
- 「花の章」, リッケンバッハー, バンベルク交響楽団, 1988.1/5, (7:41), バンベルク、クルトゥールラウム, STEREO, Vergin Classic / Musical Heritage
- 「花の章」, ギーレン, 南西ドイツ放送交響楽団, 2009.1.25/29, (6:59), フライブルク、オーディトリオ「アルフレッド・クラウス」, STEREO, hänssler
- 「花の章」, ラトル, バーミンガム市交響楽団, 1991.12.16-19, (7:29), バーミンガム、シンフォニー・ホール, STEREO, EMI
- 「花の章」, 小澤, ボストン交響楽団, 1984, (5:53), ボストン、シンフォニー・ホール, STEREO, Deutsche Grammophon
- 第1交響曲(ブルノ・ワルター=岡城千歳編2手ピアノ版), 岡城千歳, 2002.1.22-23, (14:38, 7:39, 12:06, 21:12), ウォーチェスター、メカニクスホール, STEREO, Chateau
- 第1交響曲(ブルノ・ワルター編4手ピアノ版), トレンカー、シュパイデル, 2011.9.5-6, (11:39, 7:51, 9:25, 19:05), マリエンミュンスター、アプテコンツェルトハウス, STEREO, Dabringhaus und Grimm
バルビローリにはニューヨーク・フィルとの1959年1月10日の演奏会を放送用に録音した記録があり、これはアルマがリハーサルと演奏会を聴いたというエピソードがあるものだが、 そうしたエピソードが伝えられて当然の感動的な演奏で、マーラーが晩年の1909年12月16, 17日に同じカーネギー・ホールでニューヨーク・フィルを指揮して若書きの この曲を自ら取り上げたとき(これはこの作品のアメリカ初演でもあった)の印象をワルター宛の書簡(1996年版書簡集429、これはアルマの回想の付けられた 書簡選でも採られていて、ミッキェヴィッチの「葬送」の引用を含むことで有名な書簡である)にて述懐しているが、その印象を彷彿とさせるような圧倒的な力を持っている。
どこをとっても素晴らしい演奏だが、 特に第4楽章の2度ある突破のうちの最初の激発が収まったあと、第1楽章冒頭を回想する箇所の回想の時間性の眩暈を起こさせるような深み、全く異なる時間の流れに ふと落ち込んだような対比の鋭さはバルビローリの解釈の真骨頂を示すものだろう。第1楽章展開部後半を再現した2度目の突破からコーダに至るまでの音楽は、 まさにマーラーが書簡で語った「造物主への嘆願」であると感じられるし、アルマが50年近い時を隔ててこの演奏にマーラーその人を聴き取ったとしても不思議はない、 勿論、我々はマーラー自身の演奏がどうであったかを知る術はないけれど、確かにそれに迫る何かを備えていることを確信させる演奏の記録だと思う。
コンドラシンもまた第1楽章提示部反復を行わなかったようで、スタジオ録音、ライヴの2種類の第1交響曲も、第6交響曲のいずれも反復をしていない。 コンドラシンの演奏記録のうち、1981.3.7の北ドイツ放送交響楽団とのアムステルダムでの演奏は、テンシュテットの代演を急遽引き受けたもので、コンサートの後のホテルで コンドラシンが急逝した知らせが衝撃を持って駆け巡ったのは未だ記憶に新しい。演奏はそうした状況のアウラを抜きにしても深い感動を呼び起す素晴らしいもので、 コンドラシンならではの繊細な音響バランスと凄まじい集中力と推進力を兼ね備えた圧倒的な記録である。
初期の交響詩「巨人」としての形態の 録音も増えてきた。 ルードとノルシェーピング交響楽団による演奏はハンブルク稿によるもの。The Cambridge Companion to MahlerのDiscographyにはブダペスト稿と 記載されていて非常に驚いたがこれは記載ミスで、CDのリーフレットの指揮者自身の解説においてハンブルク稿を用いた演奏であることが明確に記載されている。 なお、ブダペスト初演時の形態は、その後のマーラーの改訂作業の進め方に由来する問題から稿態としては残存せず、復元も困難であるとされているようだ。 (もっとも、自筆譜では初期に存在したことが確認できる第4楽章冒頭部分の「再現」を採用した演奏が試みられたりはしているようだが。)
一方のハマルとパンノン・フィルによる交響詩「巨人」の演奏はヴァイマル稿によるとのことだが、これがハンブルク稿とどう違うのかについては詳らかではない。 こちらもCDのリーフレットに指揮者自身の書いた解説があるのだが、それには1893年に行われた改訂については言及されていても、1894年6月にヴァイマルで 行われた演奏に先立って1893年10月27日に行われたハンブルクでの演奏についての言及が全く無いのは不可解という他ない。また重大な日付の誤りがあり、 ド・ラ・グランジュの主張する1893年の2度の改訂の2回目が12月16日ということになっていて、そのためハンブルクでの演奏の日付を知っている人間が読めば、 まるでその後の改訂日付を持つ自筆譜があるかのように読めるが、実はこれは恐らくBlumine楽章の改訂日付である8月16日の誤記と思われる。 確かにド・ラ・グランジュは1893年1月の時点ではスケルツォ楽章が一旦第2楽章とされた形跡があることなどから、一旦Blumineが削除されたという推測をしているが、 その説を採用したとして、ハンブルクでの演奏の時点ではBlumine楽章が復活したことは確かだし、ド・ラ・グランジュもまたハンブルクでの演奏時の標題を示すことで 事実上それを認めている。ただしハンブルクでの演奏後に更に改訂作業が行われたことについてはミッチェルも指摘しており、可能性としてはそれが1894年の ヴァイマルでの演奏前に為されたこともありうる。ミッチェルは序奏と提示部の最初の17小節の写譜の異稿について言及しているが、そうだとしたらこの演奏が ミッチェル言うところの(ハンブルク稿を「第1稿」としたときの)「第2稿」、即ちに異稿によるものである可能性も残っている。とはいうものの、 リーフレットの記述内容などから推測するに多分そうではなくて、実際にはこれもいわゆる「ハンブルク稿」に基づく演奏で、私には判然としない何らかの根拠に基づき、 当該稿態が、ハンブルクでの演奏の時点よりもヴァイマルでの演奏時点のものであると判断したのではなかろうか。
なお、その後得た情報によれば、 ハンブルク稿はイエール大学に所蔵されている草稿のことだが、これとは別にウェスタン・オンタリオ大学に所蔵されている草稿があり、 これはほぼブダペスト稿に相当、一方、ヴァイマル稿はニューヨーク・パブリック・ライブラリに所蔵されているらしいので、ハマル/パンノン・フィルの演奏がこの草稿 ベースであれば、「ヴァイマル稿」による初演という主張自体には問題なく、リーフレットでの説明が不親切なだけ、ということになるだろう。なお、私はこの情報を Julian Johnsonの"Mahler's Voice"(2009)により知った。JohnsonはMcClatchieの"The 1889 Version of Mahler's First Symphony"(1996)を 参考文献として掲げており、これにあたればより正確な情報が得られるのだろうが、現時点ではあたれていない。Johnsonはまた、ハンブルク稿とヴァイマル稿の 違いについて、木管が3管編成から4管編成になったこととエキストラのホルンが3本加わったことを挙げている。このうち木管の増強は最終稿態での編成への 移行がハンブルク稿からヴァイマル稿の間でなされたということなのだろうが、ホルンの増強については、これが終楽章のホルンのエキストラ(ヴァインベルガーから 出版された初版では3本以上と指定されている)に繋がるものなのか、それとも最終的に7本となったホルンパートの増強なのか(「エキストラ」という点に注目 すれば前者ととるのが自然だろうが)、判然としない。なお、後述のように第4楽章56番のこのホルンパートの補強については、何で補強させるかに ついて、1906年版と1966年のマーラー協会版とで異なっていて、1906年版ではホルンのみで行われていた補強がトランペットの5番とトロンボーン4番も加わって (スコア上は、補強パートが削除され、替わってトランペットの5番とトロンボーン4番が追加されて)行われるようになっている点も考慮にいれるべきかも知れない。) 同様に、ニューヨーク・パブリック・ライブラリ所蔵の草稿の日付がハマルが記述するとおりの1893年12月16日の日付を持つのかどうかもまた、 草稿自体を確認し、CDの演奏を注意深く聴かないことには確かなことはいえなさそうである。せめてハンブルク稿のスコアが 手元にあれば、それとこの録音の演奏との違いを検討することもできるだろうが、現時点ではいずれもできない以上、これ以上の推測は慎むべきであると考える。 もう一点だけ付記すれば、Johnsonの記述(恐らくMcClatchieの論文に基づく)によるならば、現在一般にそう思われているのとは異なって、ブダペスト稿は、 ハンブルク稿改訂作業の結果、喪われてしまい復元不可能だということはなく、「ブダペスト稿」の試演も可能なようにもとれる。もしかしたらじきに「ブダペスト稿による 演奏」と銘打った演奏が行われたり、録音が行われたりするのだろうか。
ちなみにいわゆる「ハンブルク稿」の第1楽章冒頭の弦のAの持続音にはフラジオレット指定がないのだが、これについてはブダペストで演奏した折に(あるいはその 演奏の経験に基づきその後)追加したというマーラー自身の証言がナターリエ・バウアー=レヒナーの回想にあって、ハンブルクでの演奏の際に「実際に」どちらであったかは判然としない。 (金子健志はハンブルクではすでにフラジオレット奏法を採用していただろうという推測を述べている。) この点についてはマーラーの回想自体が矛盾を含んでいて、ライプチヒで第1楽章を書き上げた直後にヴェーバー家のピアノで試奏したときの回想ではまるで はじめからフラジオレットがあったかのような言い方になっている。
リッケンバッハーの演奏は「巨人」の第2楽章である「花の章」のみを単独で演奏したもの。一時期「花の章」を第1交響曲の第1楽章と第2楽章の間に 挟む折衷版の形態の演奏がしばしば行われ、録音としても存在するが、あくまで「仮構された」稿態と見做されるべきである。ケーゲルの3種のうち2種は 演奏会を収録した、本来の意味でのライヴ録音である。
小澤にはボストン交響楽団との演奏が2種類あり、一方は「花の章」付きだが、これは1977年に4楽章形態で録音したものに、1984年になって録音した 「花の章」をいわば後から挿入したもの。私が最初に聞いたマーラーはこの小澤の1977年録音の4楽章形態の演奏をFMで流したものであった。
1939年4月7日のワルターの演奏記録はNBC交響楽団との初めてのマーラー演奏であったが、結局ワルターはこの年の10月30日、ジェノヴァを発ってアメリカに 向かうことになる。録音状態には勿論限界はあるが、ワルターがマーラーその人から受け取ったものが確かに聴き取れるような、ある種デモーニッシュな 凄みすら感じさせる演奏である。第1楽章の提示部などの反復が行われていないことを考慮しても際立った演奏時間の短さから窺えるように、テンポ設定が 独特で、特にフィナーレ冒頭は楽段毎にテンポを一旦落としては極限まで上げていくことが繰り返され、目覚しい効果を上げている。戦前のワルターの 様式が後年に作られたイメージに必ずしも添っていないことや、表現主義的な演奏様式とか即物主義的な演奏様式とかいったラベル付けをして個別の演奏を 分類してしまうことの危うさを確認させる。だが何よりも、演奏様式の変遷や受容史の一齣に押し込めてしまうことのできない力、21世紀の今日においてもなお 喪われていない力を備えた貴重な演奏記録である。
交響詩「巨人」の稿態については既に記したとおりだが、それだけでなく1896年のベルリンでの演奏以降のいわゆる「第1交響曲」についても、稿態の問題は 存在する。これは出版譜の異同によって確認することができ、1899年にヴァインベルガーから出版された初版と1906年にユニフェルザールから出版された 版、更に1966年に出版されたマーラー協会全集版の間にはオーケストレーションに関してかなりの違いがある。(レートリヒのオイレンブルク版の序文によれば、 更に1943年のシュティードリーによる分析のついたBoosy & Hawks版、1960年にモスクワで出版されたいわゆる「ムジカ」版もそれぞれマーラーが行った 改訂作業の取捨選択について異同が見られるようだ。)
結果的に、いわゆる歴史的録音では 今日一般に用いられる楽譜とは異なった楽譜での演奏が行われていて、実際にCDによる記録でそれを確認することができる。例えば1939年のワルター、 1941年のミトロプーロスの演奏では、第4楽章の練習番号6からの主題提示の最初の部分が木管とホルンのみで為されていて、トランペットによる補強が ないが、これは1906年版で確認できるオーケストレーションに一致している。また練習番号44番のシンバルの一撃も1906年版の通り、打たれていない。 なおミトロプーロスの演奏では、第4楽章の冒頭数小節後から6番にかけてのティンパニが「ずれて」いるが、これは流石に意図的なものではなく、演奏ミスの類だろう。 古い演奏では、1906年版ではなく、1899年のヴァインベルガーの初版によるものの記録も残っているのかも知れないが、ヴァインベルガー版のスコアが 手元にないため、私には確認する手段がない。(ちなみに第1楽章提示部反復の有無は、バルビローリやコンドラシンの場合を考えてみれば明らかなように、 ヴァインベルガー版への依拠とは基本的に別の問題であることは言うまでもないだろう。)
興味深いのはバルビローリの演奏で、1957年の録音にも関わらず上掲の第4楽章冒頭の主題提示の開始部分でトランペットによる補強が確認でき、 1906年版とは異なる楽譜を用いているらしい。これは練習番号56番からのホルンの旋律の補強が全集版によっているように聞こえることからもいえるだろう。 バルビローリの演奏でもう1点興味深いのは1906年版にない練習番号44のシンバルの一撃が採られているだけでなく、その3小節前の頭拍にもシンバルが 打たれているのが確認できることで、これが使用楽譜によるのか、「現場の判断」によるのかはわからない。
一方1959年のニューヨークでのコンサートは、今日ではDover版などで確認できる古い版(恐らくは1906年の版)にほぼ従った演奏のようであるが、興味深いことに、 ここにおいても2年前のスタジオ録音と同じく第4楽章冒頭の主題提示の開始部分でトランペットによる補強がはっきりと聴き取れる。一方で練習番号44番前後の シンバル打ちについては1906年版にしたがっているようだ。この点で特に印象的なのは、相対的に無骨に演奏される第2楽章のレントラー再現の練習番号29番の 4小節後からティンパニが主題のリズムをフォルテで強打する部分で、この作品の成立史を知る者にとっては交響詩「巨人」のフラッシュバックであるかの ような印象を覚え、はっとさせられる。第1楽章の序奏の練習番号2番の4小節前のTempo I に対して、その直前にクラリネットが奏するカッコーの音型の 最後の繰り返しを、楽譜の指示(これは1906年版で既に確認できる)に従わずにTempo I に従うことや第1楽章の提示部反復を省略したりするなどは1957年の ステレオ録音と共通するものであるが、随所で聞かれる違いについてはニューヨーク・フィルハーモニックが所有しているであろう楽譜に基づくものである可能性が 高いように思われる。ニューヨーク・フィルハーモニックは2度の大戦を挟んで、一旦ヨーロッパでは中断しかかったマーラー演奏の伝統を継承してきたオーケストラだし、 マーラー自身が晩年、この作品を指揮した際に使用した楽譜がライブラリに保管されているようなので、この演奏にもそれが反映されている可能性は充分に あるわけである。ちなみにニューヨーク・フィルハーモニックのライブラリ所蔵の楽譜は1899年のヴァインベルガーのもののようだが、恐らくマーラー自身が演奏したとなれば 1906年版に反映された変更も含め、その後の改訂の結果が反映されていると考えるのが自然であろう。この演奏のどの部分がそうした伝統に属しており、あるいは バルビローリ独自のものであるのかも含め、事実関係については現在の私には確認の手段がないのでこれ以上のコメントは控えるが、いずれにしてもそうした様々な 歴史的な脈絡の交錯の中で実現した稀有の記録の一つであることは疑いを容れないと考える。
コンドラシンの演奏はおおむね全集版によるのは確かだが、上掲の第4楽章冒頭の主題提示の開始部分は、モスクワ・フィルのはトランペットの補強なしに聞こえる。 更に興味深いのは練習番号56番からのホルンの旋律の補強についてで、両方の演奏とも1906年版とも全集版とも異なるようだ。練習番号56番からの最初の6小節は ホルンのみで補強させ、その後トランペットとトロンボーンを参加させる折衷的な形態を採っているように聞こえることで、これがコンドラシンの判断によるのだとしたら、 これは優れた判断だと私には思われる。(これについては、マーラー自身が、1898年にプラハでこの曲を演奏した際、リハーサルをつけたシャルクに対して、 トランペットとトロンボーンの補強は、ホルンのみで音量が充分出ない場合の非常手段で、あくまでもホルンのみでの補強が望ましいという文面の手紙を 送っているという事実を思い起こすべきだろう。)なおコンドラシンの用いた楽譜はレートリヒがオイレンブルク版の序文で言及していた1960年のムジカ版とも異なるようで、 練習番号44のシンバルの一撃は採られている。
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