2007年5月12日土曜日

大地の歌について:ヴェーベルンが1911年にベルクに宛てた手紙より

大地の歌について:ヴェーベルンが1911年にベルクに宛てた手紙より(Wolfgang Schreiber, "Mahler", Rowohlt, 1971, p.168, 邦訳『大作曲家 マーラー』, 岩下眞好訳, 音楽之友社, 1993. p.249)
Ich spiele noch oft das « Lied von der Erde ». Es ist unglaublich schön. Es ist nicht zu sagen.

私はあいかわらず、しばしば『大地の歌』を演奏します。この作品は信じられないほど美しい。それはまったく筆舌に尽くし難い。 

ヴェーベルンがベルクともども熱烈なマーラー・ファンで、寧ろシェーンベルクの方が弟子に影響されて「改宗」した感じすら あることは良く知られているが、上記の文章は、大地の歌の1911年11月20日のミュンヘンでの初演にあたってのヴェーベルンの 反応の一部であろう。一連の手紙は、ヴェーベルンがベルクに初演を一緒に聴こうと誘う手紙(10月30日付け)から始まって、 初演に先立ってアルマ・マーラーに楽譜を見せてもらった喜びを告げる11月18付けのシェーンベルクへの手紙、そして11月23日付けの、 ケーニガー宛てとベルク宛の手紙まで続く。翻訳でその幾つかを読むことができるようだが、どうやらどれも断片的なようだ。 上記はシュライバーの評伝の巻末の「証言」に収められたものだが、そのどれに繋がっているのか、あるいは別の手紙の一部なのか 判然としない。(2007.5.12 執筆・公開, 2024.8.11 出典・邦訳を追加)

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