お知らせ

アマチュア・オーケストラ演奏頻度を2025年の公演の集計を追加して更新しました。(2025.12.25)

2025年10月1日水曜日

マーラーを考える上での主題系

 本来は相関図を用いるべき。

  • 識・無意識・自己・心・他者:現象学、初期ハイデガー、批判理論、解釈学、認知科学、プロセス哲学、脳科学、神経生理学、進化論(ミーム含む)、発達心理学、精神病理学、精神分析学。フリストンの理論(自由エネルギー原理・能動推論・マルコフブランケット。)
    • 「二分心」(ジュリアン・ジェインズ)崩壊以降、シンギュラリティ(カーツワイル)以前の「意識」の時代。「延長意識」「自伝的自己」(ダマシオ)「自己意識」の成立と維持の仕組み。
    • フィクションとしての「私」。「意識が一つ続きのものであること」(兼本浩祐)が如何にして可能になるか。時間をまたぐ構造保持のメカニズム。「自伝的自己」の生成機序と構造。
    • 表象の同一性維持機構としての「ことば」。
    • 「私」を立ち上げる必須の契機としての「他者」。他者の声の交響の場としての「私」。やまだようこ「ことばの前のことば」における「うた」。
  • 時間性:意識=時間性の起源としての他者の(原)触発。「隔時性」(レヴィナス)。リベットの実験における意識の「遅れ」=差延(デリダ)。プロセス哲学における「時の逆流」、推移の時間と超越(ホワイトヘッド=遠藤)。不可逆性、未来完了性(ジャンケレヴィッチ/アドルノ)。Varianteの技法(アドルノ)。他者への「応答」への遅れ⇒「投壜通信」としての「作品」。
  • 音楽作品と意識との関係。結節点としての自由エネルギー原理(フリストン):「感じ」としての意識(ソームズ、パンクセップ、ダマシオ)/「図式的期待」(ナームア、マイヤー)⇒「意識の音楽」・「時間の感受のシミュレータとしての音楽作品」・「マーラー・オートマトン」。MIDIデータを用いた調的軌道の可視化。和音の出現頻度分析。状態遷移の多様性の分析。標題性、「ことば」による表象の安定化。ジェスチャーとしての音楽(近藤譲)。
  • 意識「からの」眺め:超越・不滅性/有限性・老いと死、倫理や価値、反逆、憧憬、懐疑と矛盾、イロニー、夢、自然、自然の音と「世の成り行き」、音の風景・空間性(「遠くから」)。ヴァ―チャリティ(風景の、そして意識そのものの)。想像力、仮想性:「ありえたかも知れない民謡」(三輪眞弘)、仮晶(アドルノ)、疎外。様々な異化(「うた」の媒介性、屈折。作品における男女の声の交替、歌と器楽の往還。幼少期のアコーディオン)。
    • ⇒ 「老い」:「現象からの退去」(ゲーテ=ジンメル)としての「老い」=「後期様式」(アドルノ)。「かけがえのないものが移ろいゆくものであること」の受容。Erdeの多義性。。「個別的なものの学(mathesis singularis)」(ロラン・バルト)。
    • ⇒「子供」:自伝的自己の成立機序。「新しさ」の感じが生じる条件としての「他者」との遭遇。「出会い」の時間論的構造、「再会」によって「出会い」が事後的・未来完了的に認識されること。
  • シンギュラリティ(カーツワイル)からの視点:Life3.0(テグマーク)。惑星としての地球(Erde)。宇宙人からの展望(シュトックハウゼン)。人工知能による補筆(第10交響曲)。
  • (未完成を含む)作品の存在論。「幽霊性」。「再演」による継承の意味。「書き取らされている」という感じについてのジェインズの「二院制の心」による説明、世界制作(グッドマン)、「神の衣を織る」(ゲーテ『ファウスト』)。ポリフォニー:「子午線」を介した「対話」としての「詩」(パウル・ツェラン)。「投壜通信」(ツェラン=マンデリシュタム)。他者の声の交響の場としての作品(バフチン)。「うた」の起源におけるポリフォニーの優位(ジョルダーニア)
  • 個別的なものの学(mathesis singularis)」(ロラン・バルト)としての「マーラー学」:儚く有限な「意識」と「主観性」の擁護。「投壜通信」(パウル・ツェラン=マンデリシュタム)。「コミットメント」(マイケル・ポランニー)。

(2002執筆, 2007加筆, 2008.5.27初稿公開, 2025.10.1 身辺雑記から独立させて公開。ワーク・イン・プログレス)

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